三井物と三菱商がサハリン2新会社参画へ、決め手はロシアの承認
三井物産と三菱商事が、ロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」の新会社に参画することをそれぞれ決定しました。
ロイター通信が25日木曜、東京から報じたところによりますと、来月4日の期限までに申請する見通しで、同意書の提出後3日以内にロシア政府が承認するかどうかを判断することになります。
三菱商事は日本時間25日午前、新会社の株式を引き受けるため、同意書を提出することを決定したほか、三井物産も、新会社に参画しての権益維持を決めたことを明らかにしました。
もっとも、ロシア側が承認するどうかは未知数で、承認したとしても新たな株主間協定書の交渉など協議は続く見通しです。
サハリン2は日本のLNG液化天然ガス輸入量の約9%を占めており、日本政府には引き続き両社への支援が求められることになります。
この問題について、松野一官房長官は25日午前の会見で、両社が正式に同意の意向を固めたことを明らかにした上で、「引き続き状況を注視し、LNGの安定供給に万全を期したい」と述べました。
プーチン・ロシア大統領は去る6月30日、非友好国による対ロシア制裁・制限措置に対する対抗策の一環として、「サハリン2」の運営主体の再編を命じる大統領令に署名しており、ロシア政府はそのの事業や権益を移行する新会社を今月5日に設立していました。
その結果、ロシア国営ガスプロムが権益を維持できる一方、商社などのほかの出資者はロシア政府に対して1カ月以内に改めて権益の承認を申請する必要があり、対応を迫られていました。
三井物産はサハリン2に12.5%、三菱商事は10%を出資していましたが、今年2月にロシアがウクライナで特殊軍事作戦を開始して以降、両社は同事業の不透明性が増したなどとして、これまでに資産価値を計3500億円減額しています。