日本国内で、イスラム・モスクは20年で7倍に増加
日本全国にあるイスラム教寺院・モスクが、過去20年間で7倍に増えたことが明らかになりました。
朝日新聞が6日土曜報じたところによりますと、日本に住むムスリム(イスラム教徒)が増加しており、在日ムスリムを研究する早稲田大学の店田廣文名誉教授らの調査によると、推計で20万人を超えたとされています。
これに伴い、1999年に全国で15カ所だった礼拝所「モスク」も、2021年3月に113カ所に増えたということです。
店田名誉教授らは、在留外国人統計や国ごとのムスリム人口比率、一般社団法人「日本イスラム協会」の会員数などから、日本で暮らすムスリムの人数を推計しています。
調査によると、日本で暮らすムスリムは、2020年末で約23万人とされ、このうち日本人や、結婚などで永住資格を持つ人は約4万7千人で、10年前の1万〜2万人から倍増しています。
店田名誉教授は、「目立つのは婚姻に伴うもの。自ら入信するケースも増えているようだ」とコメントしました。
最近では特に大阪市西成区で昨年、新しいモスク「マスジド・イスティクラル・大阪」が開設されました。
このモスクは元は工場だったビルを改装し、費用は主にインドネシア人の寄付で賄われましたが、日本人が礼拝に来る姿も目立つということです。
運営する一般社団法人の会長でインドネシア人のヘリザル・アダルディさん(46)は「どんなムスリムも来やすい場所にしたい」と語りました。
さらに、イスラム文化を研究する岡井宏文・京都産業大准教授は「日本ではなじみの薄かったムスリムだが、もはや私たちの隣人になりつつある。多様化が進む社会の中で、共生を考えていく必要がある」と述べています。