ドイツでG7財務相・中央銀行総裁会議が開催、黒田日銀総裁「強力な緩和続ける」
-
日本銀行の黒田総裁
ドイツで開かれたG7主要7か国の財務相・中央銀行総裁会議で、日本銀行の黒田総裁が今後も強力な金融緩和を粘り強く続ける考えを説明したことを明らかにしました。
ロイター通信が20日金曜、東京およびドイツ・ボンから報じたところによりますと、ドイツ西部のボン近郊で開かれたG7の財務相・中央銀行総裁会議は日本時間の20日夜、閉幕し、共同声明を発表しました。
G7各国でインフレ率が数十年ぶりの水準に達する現状を踏まえ、今回の声明では「インフレ予想の安定維持を確保するよう、金融政策の引き締めペースを適切に調整する」ことが新たに明記されています。
これに対し、黒田総裁は2022年度1.9%、23年度1.1%とする物価見通しを念頭に「国際商品市況の上昇によって交易条件が悪化しており、そうした状況での物価上昇の持続性はあまりない」と指摘しました。
また、G7で「日銀は現在のYCC(イールドカーブ・コントロール)を軸とする強力な金融緩和を粘り強く続けていくことを説明した」としたほか、 金融政策運営を巡って「マイナス金利も含め、YCCを続けていくことが適切」との考えも述べています。
さらに今回の会議では、G7としてロシアの特殊軍事作戦が続くウクライナへの支援を強化することで一致し、市民生活を支えるため、ことし中に実施する財政支援を198億ドル、日本円でおよそ2兆5000億円に拡大することになりました。
日本としても、世界銀行との協調融資を6億ドルに倍増し、来月までに実施する方針を表明しました。
また声明では、ロシアを世界経済から孤立させることで戦争の代償を高めるとし、厳しい経済制裁を続ける姿勢を強調しています。
これについて鈴木財務相は記者会見で「ロシアの行為は力による現状の一方的な変更であり、その過程で女性や子どもを含む、罪のない市民を虐殺しており、絶対に許すことができず、決して対岸の火という意識で見過ごすわけにはいかない」と述べ、G7各国と連携して制裁を強化することの意義を強調しました。