シリアの石油窃取を続けるアメリカ
(last modified Sat, 20 Aug 2022 11:13:00 GMT )
8月 20, 2022 20:13 Asia/Tokyo

米軍とその支援を受ける武装組織によるシリア産石油の密輸が、今なお続いています。

シリアでテロ組織との戦争が勃発した2011年以来、米国は複数のテロ組織を支援しながら、シリアのエネルギー資源の窃取・略奪を優先課題のひとつとしており、近年では同国の石油資源の相当の部分を密輸してきました。

アメリカ軍は、シリアのクルド人組織SDF・シリア民主軍 の助けを借りて、同国北東部ハサカ及びデリゾール両県の主要な油田とガス田を支配しています。

これに関して、アメリカはシリアの石油密輸だけを目的に、SDFの助けを借りて違法に道路を建設しています。アメリカは先週、違法な検問所を経由しシリアの石油タンカー車300台を通過させ、イラクに送り込みました。

今月8日、シリア石油省は声明の中で、米国とその傭兵がシリアの石油を毎日平均6万6000バレル窃取しており、これは同国の石油生産量の80%にも相当すると発表しています。シリア産石油の盗難は、同国の石油産業に数十億ドルの直接および間接的な損害を引き起こしました。

シリア政府が、石油、ガス、小麦などのシリアの天然資源を盗んでいるとしてアメリカを非難し、米軍の国外撤退を要求している中で、アメリカ軍はシリアの石油を窃取・密輸し続けています。シリア市民も、自国からの米軍の撤退と石油資源の盗難の停止を強調するべく、何度もデモを実施してきました。

こうした中、シリア政府は、米国によるシリア石油資源の窃取・略奪について、国連安保理に何度も不服を申し立ててきました。しかし、これにもかかわらず、米国はシリアの石油資源の窃取・略奪を止めず、国連安保理も米国にこの略奪の停止を迫る行動を全くとっていません。 .

アメリカは、テロと戦う目的でシリアに駐留していると繰り返し主張してきましたが、トランプ前大統領は、シリアにアメリカ軍が駐留しているのは、シリアの油田のためだと明言しており、実際にテロはシリアの石油資源と食料資源を盗む口実と化しています。

石油に加えて、米軍は毎週、大量のシリア産小麦および穀物を、イラク駐留米軍による使用を目的に、シリア国外に違法に密輸しています。こうした中、近年テロリストの暴力に直面しているシリア国民の大部分は、人道支援を必要としています。

中国の英字紙「チャイナ・デイリー」は最近、米国が窃盗・略奪罪で世界の多くの国よりも大胆になっており、記事の中で、シリアの石油略奪も破廉恥だと報じています。

同紙はまた、米軍によるシリア石油の継続的な窃取・略奪と、イラクへの違法輸送に言及して、「略奪と権利の剥奪は長い間、米国の生業であり続けてきたことから、この事実を理解するのはたやすいことだ」としました。

 


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