視点;ミールターヘル解説員
西側諸国のイスラエル支持に高まる批判
シオニスト政権イスラエルによるパレスチナ・ガザへの戦争犯罪・大量虐殺が続く中で、西側諸国による偏ったイスラエル支持に批判が高まっています。
米政府の関係者400人あまりがバイデン大統領宛てに書簡を送り、政権のイスラエル支持の姿勢に抗議しました。書簡を送ったのは米政府機関およそ40の代表らで、バイデン政権によるイスラエル支持への批判が高まっていることを示しています。書簡ではバイデン氏に対してガザでの即時停戦を迫るよう要請し、支援物資の提供を可能にするよう求めました。
この書簡は、ここ最近の間に米政府に送付された多くの書簡のひとつに過ぎません。米メディアは、国務省職員数十名の署名が入った抗議書簡がブリンケン国務長官宛てに送られたと報じました。その前にもUSAID・米国際開発庁の職員約1000人が米政府のイスラエル支持を批判する書簡を送っています。
欧州でも同様の動きが広がっています。フランスでは、西アジアのイスラム諸国に駐在する大使10名がマクロン大統領に書簡を送り、そのイスラエル支持の姿勢を批判しました。書簡では「フランス国民は自らを裏切っていると感じている。人権をうたう自らの発言と行動が一致していないと感じている」と記され、マクロン氏の姿勢を「パレスチナ問題についてフランスが伝統的にとってきた中道路線を転換するもの」としています。
マクロン氏は先月24日に被占領地パレスチナを訪問し、シオニスト政権イスラエルに対する「揺るぎない支持」を表明し、2014年に対ISISで結成された多国籍有志連合をハマスに対しても適用すべきだなどと主張しました。マクロン氏はイスラエルによる戦争犯罪には一切言及せず、「イスラエルの自衛権」を再度強調しました。
このように西側諸国のイスラエル支持の姿勢に対する批判は、その政権中枢からも出ています。西アジア諸国に駐在する米外交官らがバイデン氏に宛てた書簡では、無条件のイスラエル支持が原因で「アメリカが、アラブ諸国の一世代すべてから嫌悪感を持たれることになる」としています。
こうした一連の動きからは、これまで虚偽のニュースやフェイク映像を拡散することで世論に自らの正当性を訴えていたイスラエルに対して、ガザから連日送られてくる映像を目にした世界の人々がイスラエルによる戦争犯罪の深刻さに気付き、停戦を求め始めたと言うことができます。
ブラジルのルラ大統領は、イスラエルによるガザでの戦争犯罪について、「イスラエルによるガザの女性や子供の殺戮はテロリズムのようだ。イスラエルはガザを占領し、パレスチナ人を追放したいと思っている。これは公正なことではない」と述べています。