WHOがサル痘で緊急事態宣言も、内部意見割れていた
7月 24, 2022 14:35 Asia/Tokyo
WHO世界保健機関が23日土曜、感染拡大しているサル痘に緊急事態宣言を出しましたが、同機関の専門家らの間ではこの宣言をめぐり意見が割れていました。
動物由来のウイルス感染であるサル痘は、皮膚にできる水疱が特徴的ですが、死に至ることはほとんどありません。
感染が拡大しているアメリカのCDC疾病対策センターは先日、「米国でのサル痘の感染症例は、ゲイやバイセクシュアルの男性、または男性と性交渉する男性(MSM)に集中しており、皮膚と皮膚の密接な接触によりウイルスが伝播した可能性が示唆された」と報告しています。
イルナー通信によりますと、サル痘制御の取組み加速化のために緊急事態宣言を出すかについて、WHOの専門家らの意見は、死亡率が高くなく、感染が新たな層に広がっていないことから、意見が分かれていました。
このような中で、テドロスWHO事務局長は23日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。
この数週間、学者や公衆衛生の専門家からWHOに対しては、サル痘に対するより真剣な対応を取るようにという圧力が高まっていました。
WHOに加盟する71カ国からは現時点で、1万4000件を超えるサル痘感染、および5人の死亡が報告されています。
現在世界でサル痘ワクチンを製造しているのは、デンマーク企業のバイエルンノルディック社のみであり、国際社会はこのワクチンの不足に直面しています。