イエメンでの殺戮に英国製武器が使用
ジャーナリストや反戦活動家らの度重なる要請にもかかわらず、英国はイエメン戦争中にサウジアラビアへ売却した武器の内訳の公開を渋っています。
サウジアラビアはアメリカやUAE・アラブ首長国連邦など複数国の支援を得て、2015年3月からイエメンに侵攻し、全面封鎖しています。
サウジ連合軍による攻撃で、イエメンではこれまでに1万6000人が殺害され、数万人が負傷、数百万人が難民化しています。
サウジアラビアとUAE・アラブ首長国連邦によるアラブ連合軍は、イエメン戦争の主要交戦国ですが、この戦争の本当の養分は、西側諸国が提供する武器や弾薬です。
これまでに欧州や西側諸国の人権団体や社会活動家らが、イエメン占領勢力への武器支援の停止を再三求めていますが、西側諸国政府はサウジ・UAEへの武器支援停止を考えようとはしていません。
西アジア関連のニュースサイト「ミドルイースト・アイ」は、この問題について、「これまでに英国政府に対し、サウジへ提供された武器の内訳を公開するよう再三要請がなされてきたものの、今日までイギリス当局はこれを回避しており、最近も英国際貿易省はサウジへ売却した武器の内訳公開を延期した」と報じました。
武器貿易に反対する在英団体「キャンペーン・アゲインスト・アームズ・トレード」(CAAT)の関係者は、サウジへの武器売却について英ロンドンの裁判所に訴えを起こし、英国政府高官がサウジに売却した武器の内訳の公開を渋っていることについて、「英国政府は、回答を遅らせることで、反戦活動家らにこれを断念させようとしている」と述べました。
別の団体も報告の中で、「イエメン戦争開始以降、サウジによる空爆で民間人9000人を含む2万4000人が殺害され、これらの作戦において英国製武器が繰り返し使用されている」としています。