クレディ・スイス、存続めぐり重大局面
(last modified Sat, 18 Mar 2023 10:30:15 GMT )
3月 18, 2023 19:30 Asia/Tokyo

経営不安説が取り沙汰されているスイスの金融大手「クレディ・スイス」をめぐり、欧州4行が取引を制限したと報じられました。一方、同じくスイスの金融最大手UBSが買収を検討しているとの報道もあります。

ロイター通信は事情通の話として、仏ソシエテ・ジェネラルやドイツ銀行など、欧州の大手銀行4行がクレディ・スイスとの取引を制限すると報じました。また、英HSBCもクレディ・スイスに関係する融資を精査していると伝えられています。残る1行の名前は明かされていません。

こうした中、英フィナンシャル・タイムズ紙は、スイスの金融最大手UBSがクレディ・スイスの一部またはすべてを買収するかどうかの協議に入ったと報じました。

同紙によると、両行は週末にそれぞれ会議を開いて、両行統合の可能性を検討する予定だということです。

クレディ・スイスは今月15日、米シリコンバレー銀行破たんのあおりを受けて、株価が20%急落しました。しかし、それ以前から、ブルガリアの麻薬組織のマネーロンダリングを許したり、モザンビークでの汚職事件に関与したりと不祥事が相次いでおり、信用不安がいつ表面化してもおかしくない状態でした。

株価急落を受け、スイス中央銀行はクレディ・スイスへ最大500億フラン(約7兆1千億円)の資金を投入することを発表しました。しかしその後、クレディ・スイス筆頭株主のサウジアラビア・ナショナル・バンク(SNB)は、同行としてこれ以上資金投入をすることはないと表明したため、信用不安に拍車がかかりました。

SNBのフダリ会長は、米ブルームバーグの取材に対し、クレディ・スイスへの追加出資について「答えは絶対にノーだ」と強く否定しました。

フダリ会長はその理由として、SNBの持ち株が10%を超えると、サウジアラビアやスイス、その他欧州当局から新たな規制の対象になることを挙げました。

SNBは昨年、クレディ・スイスの株式約9.9%を取得し、筆頭株主となっていました。

 


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