米紙;「流出した極秘文書から米軍による同盟国へのスパイ活動が明らかに」、外交にも影響か
SNSに拡散されたウクライナを巡る米軍の機密文書から、米軍がロシアのみならず、同盟国にもスパイ活動を行っていたことが明らかになり、外交に影を落とす事態になっています。
米紙ニューヨーク・タイムズに報道によりますと、ウクライナ、中国のほか、アジアの最西部の地中海沿岸地方、現在のトルコ、シリア、レバノン、ヨルダン、イスラエル、パレスチナ、エジプトにあたる地域に関する米軍の極秘文書が新たにSNSに流出しました。
また、インターネット上には100を超える文書が拡散し、その影響は甚大だということです。
米国防総省はロシア・スプートニク通信の取材に対し、流出した情報の内容は現在追求中だと表明しました。
報道によれば、 この流出により、米国の情報保護能力に対する不信感が生まれていり、またこれらの流出した文書は外交関係を害する可能性があるということです。さらには、「米国はロシアのほか、自らの同盟国に対してもスパイ活動を展開していることが浮き彫りになった」と報じられています。
米政府高官は、流出した文書について、同国国防総省統合参謀本部が用意した諜報文書であることを認めるとともに、「こうした文書には数百の軍人や政府高官が関与していることから、どこから情報が漏れたかを特定することは困難だ」としました。
ニューヨークタイムズ紙はさらに今月6日、米国防総省が、ウクライナ軍の状況や米国とNATOのウクライナ支援強化計画を記した資料がSNS上に浮上したことを調査していると報じています。
同紙によると、去る3月上旬の文書がロシアで人気のあるメッセンジャー「テレグラム」上で公開されたとされたということです。
なお、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、今回の流出について問われ、米国とNATO北大西洋条約機構がウクライナ紛争に直接的または間接的に関与していることについて、ロシアは何の疑いも持っていないと表明しました。