米・ブラジル関係が緊迫化:新たな関税からトランプ氏への抗議まで
https://parstoday.ir/ja/news/world-i128722
トランプ米大統領は、ブラジルからの輸入品に新たな関税を賦課しました。
(last modified 2025-08-10T08:53:09+00:00 )
8月 06, 2025 18:52 Asia/Tokyo
  • 右から順にブラジルのボルソナロ前大統領、トランプ米大統領、ルラ・ブラジル現大統領
    右から順にブラジルのボルソナロ前大統領、トランプ米大統領、ルラ・ブラジル現大統領

トランプ米大統領は、ブラジルからの輸入品に新たな関税を賦課しました。

【ParsToday国際】米CNNは、トランプ大統領がブラジルから米国に輸入される製品に既に課されている10%の関税に40%を上乗せする大統領令に署名したと報じました。

報道各社が5日に伝えたところによると、トランプ大統領が署名した大統領令には、「ブラジルのルラ政権がボルソナロ前大統領とその支持者ら数千人に対する政治的動機に基づく嫌がらせ、脅迫、検閲、訴訟などによる深刻な人権侵害を加えており、ブラジルにおける法の支配の弱体化につながっている」と記されています。

トランプ大統領は7月初め、ルラ大統領に送った書簡の中で、2022年大統領選挙へのクーデター容疑で公判中の自らの盟友・ボルソナロ氏への裁判を中止しなければ、ブラジルからの輸入品に高関税を課すと脅迫していました。

 

「私は恐れていない」

この動きに対し、ルラ大統領は米ニューヨーク・タイムズ紙に対し、トランプ氏の脅迫を恐れていないと述べました。また、南北アメリカ大陸の二大経済大国の間に「双方が敗者となる」関係を築かないよう、トランプ氏に強く求めました。

 

ブラジル市民による抗議行動

こうした状況を受け、カタール・アルジャジーラは「ブラジルからの輸入品に合計50%の関税を課すというトランプ大統領の措置は、ブラジル国民の広範な反発を引き起こした。ブラジル国内各都市でデモが行われ、トランプ大統領を模した人形が放火・焼却されるなど、米国大統領の行動は非難の的となった」と報じました。

 

ボルソナロ氏の自宅軟禁延長へ

こうした中、ブラジル最高裁判所は4日、ボルソナロ氏に対する自宅軟禁措置を継続する決定を下しました。同最高裁は声明で「この決定はボルソナロ氏が裁判所の命令に従わず、子女を通じて支持者と連絡を取ったことによるものである」と表明しています。

 

米はブラジル最高裁判事に制裁

フランス通信によると、米国財務省はボルソナロ氏に関連した「人権侵害および表現の自由の侵害」を理由に、ブラジル最高裁判所のアレシャンドリ・ジ・モラエス判事に金融制裁を科したと報じました。この制裁の主な内容は、同判事の資産凍結と米国ビザ発給禁止となっています。この措置は、ブラジル製品への50%の関税発動を延期することと引き換えに行われ、両国の深刻な外交対立へと化しています。

 

ブラジルは報復措置を延期へ

一方、ブラジル政府は米国の関税に対する即時報復措置を当面回避し、その代わりとして影響を受けた産業への経済支援策の策定を決定しました。また、世界貿易機関(WTO)に正式に提訴し長期にわたる対米交渉を進める計画です。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram Twitter