米・ブラジル関係が緊迫化;新たな関税からトランプ氏の象徴の焼却まで
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ドナルド・トランプ米国大統領が、ブラジルからの輸入品に新たな関税を賦課しました。
(last modified 2025-08-09T04:12:54+00:00 )
8月 09, 2025 13:08 Asia/Tokyo
  • 右から順にボルソナロ・ブラジル前大統領、トランプ米大統領、ルラ・ブラジル現大統領
    右から順にボルソナロ・ブラジル前大統領、トランプ米大統領、ルラ・ブラジル現大統領

ドナルド・トランプ米国大統領が、ブラジルからの輸入品に新たな関税を賦課しました。

米CNNは「トランプ大統領は、ブラジルから米国に輸入される製品に既に課されている10%の関税に40%を上乗せする大統領令に署名した」と報じました。

【ParsToday国際】報道各社が5日火曜に伝えたところによりますと、トランプ大統領が署名した大統領令には「ブラジル政府による同国右派のジャイル・ボルソナロ前大統領とその支持者ら数千人に対する政治的動機に基づく嫌がらせ、脅迫、検閲、そして訴追は深刻な人権侵害であり、ブラジルにおける法の支配の弱体化につながっている」と記されています。

トランプ大統領は去る7月初め、ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ現ブラジル大統領に送った書簡の中で「2022年大統領選挙へのクーデター容疑で公判中の自らの盟友・ボルソナロ氏への裁判をブラジルが終結させなければ、ブラジルからの輸入品に高関税を課す」と脅迫していました。
 

「私は恐れていない」

この動きに対し、ルラ現ブラジル大統領は米ニューヨーク・タイムズ紙に対し、トランプ氏への挑戦を恐れていないと述べました。また、南北アメリカ大陸の二大経済大国の間に「双方が敗者となる」関係を築かないよう、トランプ米国大統領に強く求めています。
 

ブラジルでの市民による抗議行動

こうした状況を受け、カタール国営衛星通信アルジャジーラ英語放送は「ブラジルからの輸入品に50%の関税を課すというトランプ大統領の措置は、ブラジル国民の広範な反発を引き起こした。ブラジル国内各都市でデモが行われ、トランプ大統領を模した人形が放火・焼却されるなど、米国大統領の行動は非難の的となった」と報じました。
 

ボルソナロ氏の自宅軟禁延長へ

ロイター通信によりますと、ブラジル最高裁判所は4日月曜、トランプ氏と親密なボルソナロ前ブラジル大統領に対し、自宅軟禁を継続するよう命じました。同最高裁は声明で「この決定はボルソナロ氏が裁判所の命令に従わず、子女を通じて支持者と連絡を取ったことによるものである」と表明しています。
 

米がブラジル最高裁判事に制裁

フランス通信は「米国財務省は、ボルソナロ前ブラジル大統領の事件に関連した人権侵害および表現の自由の侵害を理由に、STFブラジル連邦最高裁判所のアレシャンドリ・ジ・モラエス判事に金融制裁を科した」と報じました。この制裁の主な内容は、同判事の資産凍結と米国ビザ発給禁止です。この措置は、ブラジル製品への50%の関税導入の発表の延長として発効し、深刻な外交対立へと化しています。
 

ブラジルは報復措置を延期へ

一方でバングラデシュの日刊紙ビジネス・スタンダードは「ブラジル政府は米国の関税に対する即時報復措置を当面回避し、その代わりとして影響を受けた産業への経済支援策の策定を決定した。また、WTO世界貿易機関に正式に提訴し長期にわたる対米交渉を進める計画である」と報じています。

 

 


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