西側の思想家が考える預言者ムハンマド(13)
今日のこの時間は、19世紀イギリスの歴史家・評論家、トーマス・カーライルの預言者ムハンマドに関する見解をご紹介しましょう。
トーマス・カーライルは、著書の中で、イスラムの預言者ムハンマドについて次のように記しています。
「この砂漠の申し子は、豊かな心、黒くて鋭い瞳、広い社会的な魂を持ち、決して野心をもっていなかった。彼は自然に愛され、親しみあふれる存在として創造された人物の一人だった。一方で周囲の人々が、欺瞞的で迷わせるような言葉を追い求めていても、この人物は決して、その中に入っていくことはなかった。創造世界の大きな神秘は、あらゆる栄光を伴い、彼の心の中で光り輝いていた」
カーライルはさらに、次のように語っています。
「このような人物の言葉は、創造世界の中心からの直接の言葉であり、人々はそれに耳を傾けるべきである。もしそのような言葉を聞かないのであれば、他のどんな言葉にも耳を傾けるべきではない」
カーライルより以前に、多くの人が、預言者ムハンマドを批判する内容を記述していました。しかし、カーライルが、『英雄崇拝論』という本の中でイスラムの預言者に関して記した後、多くの事実が明らかになり、その頃から、預言者に対する愚かな攻撃が減りました。カーライルは次のように記しています。
「兄弟たちよ、あなた方は、嘘をつく人物が、宗教を作り、それを世界に広める力を持つのを見たことがあるだろうか? 神に誓って、嘘つきで愚かな人物には、一軒の家を建てる力もない。1400年もの間、何百万というイスラム教徒が暮らす家を建てることなど、そのような人物にはできないだろう。もし嘘つきがそのような家を建てていたら、今ごろそれは崩れ落ち、跡形もなくなっていただろう。そのような誤った考え方は何と恥ずべきものだろうか。そのような考え方を持つ人は、どれほど哀れで弱い人物なのだろうか。歴史を見れば分かるが、正直さ、誠実さは、預言者ムハンマドの人生と、彼のすべての好ましい性質や行動の基盤である」