WTO閣僚会合の開幕
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WTO世界貿易機関の閣僚会議が、10日日曜、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開幕しました。この閣僚会議は、アメリカのトランプ大統領の就任以来、初めての開催となります。この会議の議長は、アルゼンチンのマルコラ外相が務めています。
(last modified 2025-10-27T05:05:03+00:00 )
12月 11, 2017 22:49 Asia/Tokyo
  • WTO閣僚会合
    WTO閣僚会合

WTO世界貿易機関の閣僚会議が、10日日曜、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開幕しました。この閣僚会議は、アメリカのトランプ大統領の就任以来、初めての開催となります。この会議の議長は、アルゼンチンのマルコラ外相が務めています。

WTO

トランプ大統領は、「アメリカ・ファースト」をスローガンに掲げ、世界の貿易の流れや規定を定め、その対立を解決する責務を負うWTOや貿易のグローバル化を、常に批判してきました。また、WTOの監督のもとで署名された貿易合意を巡る再協議や、国際貿易の規定の見直しを求めています。

トランプ大統領

トランプ大統領は、WTOの紛争処理で最高裁にあたる上級委員会の欠員の人選について、新委員の選出を阻止しようとしています。WTOの柱のひとつである上級委員会は、各国の紛争処理の手続きを扱う組織です。たとえば、アメリカのボーイングとヨーロッパのエアバスを巡る世界最大級の通商紛争では、この上級委員会が重要な役割を果たしています。アメリカは、この委員会がアメリカの利益を守ろうとしていないため、この組織は機能的ではないと主張しています。

トランプ大統領は、アメリカの利益を守るために、より攻撃的な政策を取ろうとしています。政治専門家のバイパーフォード氏は、次のように語っています。

「これまで西側は、投資や製品、人々のために門戸を開放することを信じてきた。そのため、グローバル化は西側にとって、一つの解決策として提起されてきた。しかし、トランプ大統領は、グローバル化を解決策ではなく、一つの問題と考えている」

トランプ大統領はこれまで何度も、アメリカは世界史の中で最悪の貿易合意を締結してきたと強調し、その理由として、それらの合意がアメリカの助けにはなっていないことを挙げています。これに対し、中国やドイツといった輸出中心の経済を持つ国々は、アメリカは他国との貿易合意を守るべきであり、トランプ大統領が就任以来、政府の経済・貿易政策の筆頭に掲げてきた保護貿易主義をやめるよう強調しています。

ロシア外交・防衛政策評議会のルキヤノフ議長

ロシア外交・防衛政策評議会のルキヤノフ議長は、「現在、アメリカでは、国内の生産の保護を訴える大統領が政権を握っており、この変化は注目に値する」と語っています。

トランプ大統領は、WTOの規定に反して行動しており、他の加盟国が、こうしたアメリカの違反を非難するとき、トランプ大統領は、「アメリカのこの組織への加盟が損失をもたらしている」と主張しています。

アメリカのトランプ政権が、貿易のグローバル化に反する行動を取っているにも拘わらず、各国や世界レベルでは、貿易のグローバル化が進み、自由貿易協定が拡大しています。