各国首脳が、英グラスゴー会合失敗の結果に関して警告
イギリスとイタリアの首脳および国連事務総長が、英スコットランランド・グラスゴーでの気候変動枠組条約締約国会議・COP26の開会式において、この会議で成果が得られなかった場合に関して警告しました。
イルナー通信によりますと、ジョンソン英首相は1日月曜、グラスゴーでの今回の気候変動サミットの開会式で演説し、「今や、気候変動や地球温暖化の危機の悪化を阻止すべく、行動を起こすべき時が到来している」と述べています。
また世界各国の首脳に対し、電動自動車の開発の加速により、火力発電所の段階的な削減、砂漠化・森林破壊の阻止、気候変動による各種の弊害を防ぐ安全弁づくりに向け本格的な歩みを踏み出すよう求めました。
グテーレス国連事務総長も、「今回のグラスゴー会議の失敗は、人類の破滅の烙印、死刑宣告に等しい」とし、「我々の住む地球は、極地などの氷が解けて気候変動が進むことにより、海底から山頂に至るまでの地球のすべてが変容しつつある。海水面上昇速度は30年前の2倍にになり、海洋は過去のどの時代よりも気温が上昇し、ブラジル・アマゾンの密林は炭素の吸収以上に炭素を発している」と述べています。
また、「今回の気候変動サミットは、人類が気候面での大惨事に向かっている中での開催となった」とし、「2日前に伊ローマに一堂に会したG20・主要20カ国地域グループの構成国は、世界の二酸化炭素全排出量の80%を排出しており、この分野に関してより大きな責任を負っている」と語りました。
グテーレス事務総長は先進諸国に対し100億ドルの募金収集を要請しており、この資金の活用により開発途上国国内状況を気候変動に対応させ、自国の炭素排出を削減することを狙っています。
さらに、先だってローマでのG20サミットを開催したイタリアのドラギ首相も、今回のCOP26サミットにおいて、「気候変動は天然資源の破壊により、世界の平和と安全にとって重大な結果をもたらす可能性がある」と述べました。
ドラギ首相によりますと、地球温暖化は今後人類の暮らしに大きな影響を与え、大惨事の発生阻止までにそれほど多くの時間的猶予は残されていないということです。
こうした発言がなされる一方で、今回のサミットの開催地であるスコットランド地方の地元紙デイリーレコードによりますと、世界各国の政府高官・当局はグラスゴー会議参加のためジェット機に搭乗したことで、1万3000トンもの二酸化炭素の排出源になっているということです。
COP26国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議は、今月12日まで開催され、ここに一堂に会した各国の首脳陣は地球温暖化の緩和を目指しての各国の果たすべき事柄を取り決めた2015年のパリ協定の存続に関して協議し、意見交換を行うことになっています。
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