イマーム・レザーと生活様式(4)「イマーム・レザーから見た家族への敬意」
イスラムでは家族は非常に重要な役割を果たし、家族は特別の考慮を払われてきました。
家族に対して正しく振る舞うことの尽きない価値や重要性についても、アフレ・ベイトすなわち預言者の最も近しい聖家族の人々(彼らに平安あれ)の残した言葉や彼らの行状によく表れています。預言者の聖なる孫であるシーア派8代目イマーム・レザー(彼に平安あれ)も、妻や子供たちや兄弟や友人知人に対する振る舞いについて、信仰を持つ人々がとるべき正しい道を示しておられます。
イマーム・レザー(彼に平安あれ)は、この世で妻や家族に対して尊敬を払い、親切に振る舞い、彼らに対して善を行う者たちの信仰上の地位について、次のように述べておられます。
「最後の審判の日に私に最も近しい者とは、自分の家族に対して礼儀正しく振る舞う者だ。」
彼は別のハディースで次のように述べられています。
「信仰のうえで最も優れた人々とは、自分の家族に対して良き振る舞いをする者である。」
イマーム・レザー(彼に平安あれ)の見方では、家族への暖かな思いやりに時間を費やす者は、最後の審判の日に、最も高い信仰の序列に位置することになります。彼の行状では、家族に対して親切に振る舞い、理由なく厳しい態度を取らず、子供たちをきちんと教育し、イスラム法に則した健全な食事を整え、家族にとって必要な環境や生活物資や様々な必要を整えることは、家族への敬意を示すものだと見なしています。
イマーム・レザー(彼に平安あれ)の行状において彼が家族に示した敬意は、家族への暖かな愛情だけにとどまらず、家族の皆があらゆる面で成長し、進歩することができるよう常に気を配っていました。そしてこの責務を果たさないことを、家族に対するある種の暴虐であると見なしていました。
シーア派ウラマーのホッジャトル・イスラーム・マフディー・ゴラームアリーの書いた『イマーム・レザー(彼に平安あれ)と生き方』という本では、シーア派8代目イマーム・レザーに使えていた女召使いの言葉として次のように書かれています。「イマーム・レザー(彼に平安あれ)がホラーサーン地方に来られた時、アッバース朝のカリフ・マアムーンは私をイマームに仕えるようお与えになりました。イマームの家はとても質素でした。この家には宮廷のような色とりどりの調度品などまるでありませんでした。カリフの宮廷で現世的なきらびやかな生活にすっかり慣れっこになっていた私にとって、イマームの質素な暮らしは耐え切れませんでしたが、この家の深い精神性から多くのことを学びました。イマーム・レザー(彼に平安あれ)は私たちの教育のために一人の女性をお雇いになっていましたが、彼女は毎晩、皆で神への祈りを捧げるために、眠りについた私たちを起こすのでした。イマーム・レザー(彼に平安あれ)の家では、たとえ年長の者でも、誰一人として、叫び声を上げたり大声を出したりすることは許されていなかったこともよく覚えています。イマームも人々と話す時には常に、柔らかい口調で、ゆっくりと、一言ずつ区切って分かりやすい調子で話されていました。」
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