救世主イマームマハディの生誕日に寄せて
イスラム暦シャアバーン月15日は、シーア派で救世主とされる12代目イマーム、マハディの生誕日です。
また今年も、イマームマハディの生誕日が訪れました。人々の心は、解放を待ち望んでいます。シャアバーン月15日、神の預言者や啓示宗教の理想と目標を実現し、人類の生活に、真の平等と友好をもたらす人物が誕生しました。
シャアバーン月15日のイマームマハディの生誕日は、大きな祝祭です。この日、人類史における重要な解放を待ち望む人々は、世界が多くの失敗や苦い経験と共に結末を迎えるのではないことを悟ります。自由と目覚めのために戦い、正義を実現できない人々も、希望を失ってはなりません。世界の抑圧者の利己主義を恐れてはなりません。現在の闇の後には、美しい未来が待っている、そのような希望を持ちましょう。
預言者たちはその導きにより、真の意味での生き方を人間に示しました。しかし、一部の人々は、このような角度から世界を見ようとはしませんでした。彼らは、救世主の出現を否定するかもしれません。しかし、歴史は生きており、寛容で英明な創造主である神によって導かれています。至高なる神は、歴史が、腐敗や堕落で終わることを許さないでしょう。間違いなく、神は正義の支持者であり、人々を歴史の圧制者と共に放り捨てることはありません。神は、真理が勝利し、善良な人々が大地を継ぐことになると語っています。
フランシス・フクヤマなどの西側の政治思想家は、アメリカが世界の救世主であり、現代は歴史の終わりであるという見解を広めようとしました。しかし、8秒に1人が殺され、9秒に1人が性的暴行を受けているような国に、人類を救うことができるのでしょうか?人類社会を支配し、世界に戦争と混乱を広め、大量破壊兵器を拡散することを最大の理想とする大国が、どのようにして、人類に平和と平穏をもたらすことができるのでしょうか?
神の預言者や宗教上の偉人が、出現を約束している救世主は、清らかで唯一無二の存在であり、神の満足を得ることと人々を導くことのみを考えています。彼は、その出現により、人類社会における階層の格差をなくし、正義と平等を最高の形で実現します。西側の資本家だけでなく、すべての人類に安全をもたらし、平和と友好に基づいて世界を築きます。そこでは、人々の間に満足と平穏が平等に広まっています。そのため、救世主であるイマームマハディの生誕日は、喜び、希望、情熱の日なのです。
イマームマハディの蜂起は、特定の民族や地域に限られたものではありません。イマームマハディの蜂起は世界的な動きであり、真理の偽りに対する完全な勝利、人類の根本的な問題の解決を伴っています。そのとき、大地の祝福とそこに隠された恩恵があらわれ、人類の真の幸福の時代が始まります。
人類は、様々な時代に自然を支配し、それを利用してきました。そして可能性や力の拡大により、人類は自分たちの仲間を支配するようになり、人類文明のほとんどの時代には、大多数の人々が、特定のグループの人々に支配されてきました。専門家らは、人類の成長のプロセスでは、人類が欲望をコントロールする別の時代が存在するとしています。現在、世界は、その時代の訪れを待ち望んでいます。そのとき、人類の理性が成長し、宗教と幸福をもたらす宗教の戒律を受け入れる土台が整えられます。人間が高い理性や知識を身につけるようになればなるほど、完全で優れた戒律や規則を受け入れる態勢が整うのです。
救世主の信仰と救済に関するイスラムの優れた特徴とは、その救世主の名前や特徴が明らかであることです。彼はイスラムの預言者ムハンマドの一族の最後のイマームです。マハディが最もよく知られる名前であり、アッバース朝の為政者たちは、自分たちの政権の将来を懸念し、イマームマハディによる統治を阻止しようとしました。なぜなら、神の預言者の子孫の一人が、圧制的な政権を世界から根絶すると聞いていたからです。そのため、イマームマハディの父のイマームハサン・アスキャリーは、統治政権の役人によって厳しく監視されていました。しかし、神の意志が実現し、イスラム暦255年、西暦868年にマハディが誕生しました。このときから、シーア派イスラム教徒はイマームマハディの生誕日を盛大に祝い、イマームマハディと精神的な結びつきを強めます。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、次のように語っています。
「救世主マハディの統治の問題には、2つの点から大きな影響を見ることができる。一つ目は、精神的な影響である。救世主を信じる人は、神の慈悲の起点と精神的な結びつきを有しているため、神への接近と精神的な成長の、より多くの可能性を備えている。神の正義とこの恩恵の顕現への心からの結びつきは、人間を成長させ、人間の進歩の手段となる。二つ目は、社会的な生活への影響である。救世主の出現を信じることは、人類の歴史を改めようとする人々の心に希望を与えるものである。このような希望は心に光を与え、公正を求めるあらゆる動きは、この世界の自然の流れと法則に従ったものだということを明らかにする」
人々の心に喜びを与え、様々な見解に光をもたらすのは、イマームマハディの出現によって形成される世界です。イマームマハディの統治では、唯一神信仰が全体に広まり、精神性と道徳が満ち溢れます。こうして現代の人間は、人類社会をあらゆる圧制や不公正、堕落や腐敗から救う唯一の道が、唯一神信仰の教えと清らかな価値観に戻ることだという、明らかな結論へと導かれます。その道は、人類の指導者たちが奨励していたものでした。
イマームマハディが出現すると、彼は人類社会に受け入れられ、世界の繁栄と共に、公正、安全、幸福が人々にもたらされます。人類社会にある種のバランスが生まれることから、人々は精神的な安心と道徳的なバランスを保つようになります。イスラムは、もし人間が、行動や精神の逸脱から解放されれば、それは実際、ある意味で、公正を手にしたことになるとしています。イマームマハディの統治体制では、人々は法を恐れるためではなく、自ら進んで、平等と友好を心がけるようになります。
実際、人類の運命の最終段階は、イマームマハディの出現と蜂起によって始まります。イマームマハディは、人々を指導し、キリスト教徒には聖書を用い、ユダヤ教徒には彼らの聖典を用いて真理を説き、誰にも口実の余地を残しません。多くの人は論理によって納得し、真理の道を見出します。しかし、頑なな心で拒む人々は、それに対抗しようとするでしょう。
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