精神性への扉(7)【音声】
神の預言者たちは、普通の人にはない超能力を持っていること、そして罪や過ちを犯さないという2つの特徴を有しています。
今回の番組では、神の預言者たちについてお話しましょう。
神の預言者たちは、2つのグループに分けられます。一つ目のグループは、独自の啓典や法を持たない人々です。彼らは、それ以前に預言者たちが伝えた法を広める役目を負っています。フード、サーレハ、ルート、イスハーク、ヤークーブといった預言者たちが、このグループに入ります。それに対し、2つ目のグループは、天啓の書物と世界的な使命を持つ預言者です。彼らは、独自の計画と法により、神の教えに従って人々を導く役目を負っています。ヌーフ、イブラヒーム、ムーサー、イーサー、そしてムハンマドが、このグループの預言者です。
神の預言者たちは、様々な時代に、共通するメッセージを持って現れましたが、その時代のニーズに応じて、それを広める方法に違いがありました。こうした違いは、彼らが担っていた役目の実行におけるもので、そのメッセージの精神に違いはありません。それはちょうど、ある国で実行される計画が、時代によって異なるものではあるものの、それらが皆、憲法の影響を受けているのと同じです。
人類が進化すればするほど、預言者たちの教えもより完全なものとなり、より高いレベルで示されるようになります。この中で、預言者の教えを学校にたとえると、人々は、毎年、最終学年まで一学年ずつあがっていく生徒と同じです。ある社会学者は、「人間は現世において、様々な段階を経ている。まずは自分のことを考え、次に家族の大切さを知る。その後、国や祖国を知る。そして最終的に、思想的な完成の段階に到達する」としています。このことについては、次回の番組でお話しする予定です。
神の預言者たちは、人類に、唯一神の信仰、公正、善行を呼びかけると共に、人間の社会生活にも大きな変化をもたらしてきました。言い換えれば、ほとんどの預言者たちは歴史を築いてきたと言えます。預言者ムーサーは、生きている間には古代のエジプトとパレスチナで、また亡くなった後には世界のより広い範囲に変化をもたらしました。また、預言者ムハンマドは、1400年前、アラビア半島の無知なアラブ人たちの間に大きな変化を起こしました。その側面は今も残っています。それではここで、預言者による歴史の変化について、エブラヒム澤田達一師のお話をお聞きください。
最後に、シーア派初代イマーム、アリーの言葉をご紹介しましょう。
「最も悪い人間とは、自分を最高の人間だと考える者のことである」