1月 22, 2017 17:02 Asia/Tokyo
  • イマームホメイニー国際大学
    イマームホメイニー国際大学

ガズヴィーンにあるイマームホメイニー国際大学は、イランで唯一の国際大学で、イラン人以外の外国人の学生を受け入れています。今回はこの大学についてお話しすることにいたしましょう。

ガズヴィーン

 

ガズヴィーンはテヘラン西部にあるイランの都市のひとつです。考古学的な発掘物によれば、ガズヴィーン高原の定住と都市形成の歴史は、およそ9千年前に遡るということです。この町はサファヴィー朝時代にイランの首都となり、このため、多くの歴史的博物館や史跡を有しています。

 

 

ガズヴィーンは史跡の数でイランでトップ、世界で三位となっています。ガズヴィーンはさらに、イランの書道の中心地です。ガズヴィーンの著名な書家として、ミール・エマード・ガズヴィーニーの名を挙げることができます。

チェヘルソトゥーン宮殿

 

ガズヴィーンの町には、ハンマームと呼ばれる浴場やチェヘルソトゥーン宮殿、イランで最初の通りであるセパ通りなど様々な史跡があります。さらにこの町には世界最大のドーム型の貯水槽があります。

ガズヴィーンのハンマームと呼ばれる浴場

 

 

イマームホメイニー国際大学は、ガズヴィーン市内にあります。この大学はイランイスラム共和国の創始者、ホメイニー師の名前をとった、イランで唯一の国際大学であり、外国人の学生に専門教育を施す唯一の高等教育機関です。

イマームホメイニー国際大学

 

ガズヴィーン・イマームホメイニー国際大学の活動の歴史は1983年に遡ります。イラン国会でイスラム国際大学の創設の法案が可決され、ゴッツ国際大学という名前の大学が創設されました。1991年には、デホダー高等教育センターと統合され、イマームホメイニー国際大学という名前で、大学として正式に活動を開始しました。

 

イマームホメイニー国際大学のキャンパスと事務局は、ガズヴィーン北部の76ヘクタールの敷地内にあります。大学のメインキャンパスは、各学部の建物、事務局、モスク、中央図書館で構成されています。大学の寮はメインキャンパスの1キロ先にある24ヘクタールの敷地内にあり、寮、スポーツ施設、衛生・治療施設、ペルシャ語教育施設を含みます。第三のキャンパスはメインのキャンパスの北部にあります。

イマームホメイニー国際大学の学生の卒業式

 

ガズヴィーン・イマームホメイニー国際大学の現在の校章は、1999年にアマーニー・メフルという技師によってデザインされました。この校章は知識と文化の象徴としてのペンと、国際の象徴としての地球のシンプルな幾何学的デザインが使用されています。この大学がイランで唯一の国際大学であることから、この二つのシンボルは大学の名前を伝えるのに十分な存在となっています。

ガズヴィーン・イマームホメイニー国際大学の現在の校章

 

現在、イスラム学、文学・人文学、社会学、物理・工学、建築・都市建設、農学、ペルシャ語教育センターの7つの部門がこの大学で活動を行っています。各学部には適切な教育設備が整っており、60以上の実験場や工房、観測所、温室、研究用の農地、10箇所以上のコンピュータ施設、会議所があります。

 

イマームホメイニー国際大学では優れた教授陣が教鞭をとっています。数学のアッバースバンディ教授や化学のハーン・モハンマディ教授やガヴァーミー教授などの名を挙げることができます。

 

イマームホメイニー国際大学はここ数年、博士課程を新設しました。その中で、建物や一連の発電所を設計する建築工学の博士課程と未来研究学の博士課程を挙げることができます。どちらも初めてイランで活動を開始しました。現在この大学には学士で41、修士で54、博士で12の専門分野が存在します。

 

イマームホメイニー国際大学は世界大学連合、イスラム世界大学連盟、カスピ海沿岸諸国大学連合の三つの国際機関に加盟しています。この大学はイタリア、ブルガリア、中国、韓国などのおよそ15の大学や研究所と学術・教育協力文書を締結しています。

イマームホメイニー国際大学のペルシャ語教育センター

 

イマームホメイニー国際大学のペルシャ語教育センターでは、90か国のおよそ4000人の学生を受け入れています。このセンターはイラン科学技術省によって、イラン国内で、非ペルシャ語話者にペルシャ語を教える最初で唯一の公式な機関に選ばれました。すべての外国人学生は、1年間のペルシャ語教育課程を修了し、この課程に合格した後、イラン国内で進学する大学を選ぶことができます。とはいえ中にはペルシャ語課程のみの修了を希望し、この課程を終えると帰国する学生もいます。

 

最新の統計によれば、2015年から2016年の間におよそ8000人の学生がイマームホメイニー国際大学で学んでいました。この大学の最も古い学部とされる工学部には最多の学生が在籍しています。

イマームホメイニー国際大学の外国人の学生

 

さらに2015年には830人の外国人の学生が各学部で学んでおり、彼らの出身国は、インド、モルドバ、ケニア、中国、イラク、タジキスタン、アフガニスタン、トルコ、イエメン、レバノン、バーレーン、シリア、バングラデシュ、モロッコ、カザフスタン、パレスチナ、アゼルバイジャン、パキスタンとなっています。また561人の学生がペルシャ語を習得中であり、彼らの出身国は先の国に加えて、ロシア、韓国、ルーマニア、ベラルーシ、キルギス、サウジアラビア、スリランカ、コートジボワール、ジンバブエ、オマーン、チュニジア、チャド、ナイジェリアとなっています。

イマームホメイニー国際大学の外国人の学生

 

インド出身の25歳の女子学生、アズミー・マンズール・ミールさんは、イランにきてから5年になります。彼女はペルシャ語課程を終え、現在開発工学を学んでいます。イランを選択した理由はイランがイスラム国家であり、治安が良いこと、とくに女性が一人で外国で勉強するのに安全であること、さらにイスラム的装い、ヘジャーブの着用に問題がなかったこと、そしてこの大学の学術的な信用性を挙げています。彼女はこの大学の学術レベルを高く評価しています。マンズール・ミールさんはこのように述べています。「イマームホメイニーという人物は世界やインドでも非常に有名であり、この大学の信用性はこの人物の名前と大学の国際性からも非常に高い」

 

カザフスタン出身の24歳の男子学生、アスタム・バクノフさんは、イマームホメイニー国際大学のペルシャ語の修士課程で学んでいます。彼はこの大学を非常に権威があり、名も知れているとし、イマームホメイニーの名と大学の国際性がこの大学の信用性を増しているとしています。