1月 23, 2017 16:28 Asia/Tokyo

今回は、西アーザルバイジャーン州にあるゴウピーバーバーアリー湿原をご紹介いたします。

西アーザルバイジャーン州は、イラン北西部にあります。この州の州都は歴史ある美しい都市ウルミエです。この州は北と北東はアゼルバイジャン共和国とアルメニア、西はトルコとイラクに国境を接しています。

ゴウピーバーバーアリー湿原

 

西アーザルバイジャーン州は、イランの山岳地帯のひとつで、数多くの山が存在します。山の存在は地域の気候変動に大きな影響を及ぼしています。

 

西アーザルバイジャーン州の気候条件は、平原や河川、自然の美しい景観をこの州に生じさせています。この美しい景観の一つに、西アーザルバイジャーン州の湿原があります。この州の南北には、30の湿原が存在し、北部のマークー行政区から南部のミアーンドアーブ行政区まで散在しています。

西アーザルバイジャーン州には6つの国際湿地が存在し、これにより、環境活動家が注目する地域の一つとなっています。これらの湿原のそれぞれが鳥類の重要な生息地、水と空気を循環させる場所、地下水源と見なされています。

ゴウピーバーバーアリー湿原

 

ゴウピーバーバーアリー湿原は、西アーザルバイジャーン州の南部、マハーバードの町のそばにあります。この湿原の名前は、その近くにある村の名前から取られました。この湿原は自然の特徴と鳥類の存在により、地域で重要な湿原の一つとなっています。この湿原は、湿地の保護に関するラムサール条約のリストに登録されており、水鳥の最良の生息地と見なされています。ゴウピーバーバーアリー湿原は面積500ヘクタールの塩水湖と1200ヘクタールの湿地を含み、高地にあり安全性が高いことから、冬の初めには数万羽の鳥がそこで過ごします。

ゴウピーバーバーアリー湿原

 

今日、人間の生活における湿原のエコロジー、経済、社会的な機能に注目し、それらを守ることが非常に重視されています。この100年、世界の湿原の3分の2が消滅しました。気候変動、水量の減少、開発計画、汚染物の流入といった様々な理由により、湿原の存続が脅かされています。

イランは、地理的な状況の点で、半乾燥、乾燥地帯に位置しています。イランの平均降雨量はおよそ250ミリメートルで、世界の平均よりも低くなっています。このことは、環境問題など様々な分野での国の政策に影響を及ぼしています。

ゴウピーバーバーアリー湿原

 

ゴウピーバーバーアリー湿原は、河川の水が流れ込まず、周辺の泉から水を確保している湿原です。この湿原が干上がるのを防ぐために、さまざまな方法で保護活動が行われています。

人間社会と自然が隣り合っていることは、このエコシステムの生物の命を危険にさらしています。周辺地域の無計画な放牧や人間の手による動物の生息地の破壊、湿原の中の道路建設、また不適切な狩猟、水草の伐採や住宅地の拡大は、様々な種類の生き物や植物を絶滅させる可能性があります。

ゴウピーバーバーアリー湿原

 

こうした問題を解決するために、湿原の適切な利用における環境の管理により、エコシステムの自然の特徴が維持されるよう努力が行われています。湿地の保護計画において、地元の住民や地域の環境活動団体が常に効果的な役割を担っています。

ゴウピーバーバーアリー湿原は西アーザルバイジャーン州において鳥類の主な生息地です。数万羽の鳥たちがそこで過ごしています。

アネハヅルはゴウピーバーバーアリー湿原に渡ってくる鳥の一種です。この希少な鳥は保護鳥類に含まれ、その数や生息地が調査されると同時に、その狩猟や生息地の破壊を防ぐための活動が行われています。

 

アネハヅルの生息地は、水辺、茂み、耕作地、湖のそばとなっています。この鳥はイランではほとんど見ることは稀ですが、ここ数年、北の寒冷地に向かう際に、休息したり栄養を補充したりするために、ゴウピーバーバーアリー湿原に一時的に留まっています。

一年の様々な季節における鳥類の存在と湿原の美しい自然は、西アーザルバイジャーン州の観光的な魅力の一つとなっており、毎年多くの観光客がこの地域を訪れます。

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