Pars Today

前回は、西側諸国のコンピュータ・ゲームが今日、ゲームと称してイスラムの神聖を侮辱している現実についてお話しました。

さらに、こうしたゲームが西側諸国で、遊びながらいつの間にかイスラム恐怖症やシーア派恐怖症プロジェクトを拡大しようとしていることにも触れました。こうしたゲームでは、メッカの方向を示すキブラや、時にはモスク、預言者、聖典コーランなどの捏造されたイメージを提示することで、イスラムの神聖が冒涜されるような工夫がなされています。こうした聖なる場所を、醜悪な存在として提示し、また悪人極まりない人々が図書館でコーランを提示することは、イスラムやイスラム教徒に対する深い憎しみや嫌悪を示すものです。

テレビゲームのバイオハザードシリーズ、アクションゲームのデビル・メイ・クライ、そしてクライブ・バーカーズ・アンダイイングは、こうした怨恨を露骨に表したゲームの代表例の１つです。今回も、コンピュータ・ゲームに見られるイスラムへの冒涜の実情についてお話することにいたしましょう。

デビル・メイ・クライのストーリーは、２人の悪魔の子供に関するものであり、この兄弟のうちの１人は善良で、もう１人は悪者ということになっています。このうち、悪者である方が、父親の遺産を相続するために、もう１人の兄弟と戦います。このゲームでは、このもう１人の子供が救い主、そして人類にとってよい存在ということになっています。さらに、イスラム教徒の礼拝の方向を示すキブラを侮辱したり、またメッカのカアバ神殿の扉を、悪魔の世界に入るための玄関口として提示する、といった要素が見られます。

また、バイオハザードシリーズは、複数の超大国の実験所が生産した、正体不明のウイルスの拡散により、世界が人道上の大惨事に巻き込まれ、人間が動く死人に変化します。しかし、そうした中でウイルスを生産した科学者たちは、スペインにある秘密の実験所でこの種のウイルスよりもさらに進んだウイルスを生産することに成功し、新しいタイプの遺伝子による兵士を作り出して、これをスペインの宗教の過激派に提供します。

こうした過激派たちは、アメリカ政府に圧力をかけるため、自分たちの要求を正当化する目的で、アメリカの大統領を拉致し、不当な要求を押し付けます。アメリカ政府は、大統領の娘を探し出し、この過激派に影響を与えるために、大統領専属のボディガードであるレオン・スコット・ケネディをスペインに派遣し、レオンはこの過激派グループと衝突します。このゲームでは、過激派グループの拷問の部屋に向かって開かれる扉に、サウジアラビアのメディナにあるイスラム第２の聖地、預言者ムハンマドのモスクの扉が使われています。

バイオハザードシリーズでは、テログループの指導者の１人の部屋の内部に、何冊ものコーランが置かれているのが見られます。このゲームでは、テロ組織や彼らの思想の間にコーランが関係しているように偽装するよう、工夫が凝らされています。

クライブ・バーカーズ・アンダイイングでも、悪魔の家として紹介され、悪事の源となっているゲームの舞台としての場所には、アラビア語で神を意味するアッラーという言葉がふんだんに使用されています。このゲームでは、アッラーという言葉と悪魔や悪事の間に関係があるように見せるための工夫がなされています。

イスラムを侮辱するしている例の１つとして、コーランの物語への疑惑を起こすことが挙げられます。コンピュータ・ゲームでは、コーランの正しい教えとは逆に，様々な民族の滅亡を自然的な要素と関連付け、神による懲罰を現実からかけ離れた、空想的な物語として提示しようとしています。アンチャーテッド 3 ドレイク デセプションも、この種のゲームの１つです。このゲームでは、ある冒険好きな人物が、地上の楽園の都市イラムを探して、そこに隠されている宝物を見出そうとします。このため、主人公はこの楽園に向かって旅を開始し、その途中でベドウィンの遊牧民のかしらである、イスラム教徒のアラブ人に出会います。このアラブ人は、この町で人々に起こった出来事について語り、主人公にその町へ行くことを断念させます。

イラムの町は、アラビア半島にある失われた町であり、コーランにおいてもイラムの町に住むアード族と彼らの責め苦の物語は頻繁に出てきます。この物語によりますと、アード族は預言者フードの警告に耳を貸さなかったとされ、そこで神はイラムの町の人々を滅ぼし、砂砂利の中に埋めてしまいます。その後、そこからイラムの町は跡形もなく消えてしまいました。

アンチャーテッド 3 ドレイク デセプションでは、イスラム教徒と思しきアラブ族の族長が、ユダヤ教の信仰に基づく、歪曲されたコーランの物語を語ります。そして、イラムの町が滅びたのは、神の責め苦によるものではなく、天災により人々が死亡し、町が滅びたという結論が出されます。

イスラムの神聖さへの大胆な行為は、視覚的な侮辱のみに留まらず、時には音声面での侮辱がなされることもあります。そうした例として、ビデオゲームシリーズのリトルビッグ・プラネットや、ザック・アンド・ウィキなどが挙げられます。

リトルビッグ・プラネットでは、ゲームの段階の１つにおいて、アラビア語を話すアフリカ人歌手のトゥナミ・ディアバテがコーラン第２９章、アル・アンキャブート章「蜘蛛」の第５７節を、メロディーをつけて歌います。しかし、その一方でコーランの節を音楽的なメロディーで歌うことは、宗教上の罪に当たり、禁止されています。

ザック・アンド・ウィキでは、類人猿に似た生き物が出てきて、色々な行動を受け持ちます。ユーザーが課題をクリアすると、この生き物が喜び始め、アラビア語で「神は偉大なり」という言葉を発します。このゲームでは、イスラム教徒を類人猿という形で提示し、神は偉大なりという声を、聞き苦しい音声で流しています。

また、音楽ゲームのギターヒーロー3 レジェンド オブ ロックでも、アラビアで神を意味するアッラーという言葉が侮辱的に踏みにじられた形で発せられています。しかし、このゲームで注目すべきもう１つの点は、楽器を弾く人物たちの間に悪魔が存在しており、毒によりアッラーという言葉の上を歩いていることです。

さらに、現在多大な人気を集めているモバイルゲームのアングリーバーズでも、ゲームの段階の１つにおいて、ユーザーがモスクの中に隠れていたブタを攻撃し、それらを倒さなければならない場面が出てきます。このゲームでは、ブタはモスクにいる動物とされ、怒り狂った鳥たちが、ブタを滅ぼすためにモスクを破壊するという設定になっています。

一部のコンピュータ・ゲームでは、狡猾な方法で陰に陽にシーア派のイスラム教が侮辱されています。そうした例として、ステルスゲームのアサシン・クリードシリーズや、アンデッド・ナイツを挙げることが出来ます。

殺人的な内容のゲームでは、ゲームの主役はシーア派の分派の１つであるイスマーイーリー派の殺人犯の１人を演じることになり、キリスト教徒やイスラム教徒の一部の著名な人物を暗殺することで、十字軍戦争を阻止しようとします。このゲームでは、イスマーイール派の旗のロゴマークに、シーア派初代イマーム・アリーの名前が使われ、この暴力的な殺人グループがシーア派であることを強調しています。また、テロリストや過激派といった肩書きをシーア派に関連付けようとしており、彼らの指導者は暴力的な人殺しとして提示されています。

アンデッド・ナイツでも、３人の強い騎士たちの人生の紆余曲折がテーマとされ、彼らはハウス・オブ・ブラッドと呼ばれるグループのメンバーです。このグループのメンバーであるためには、事態はよい形で終わろうとしているように見えますが、そこで一転して突発的な手出来事が起こります。ある日、キルク・グラディーズ王が、ハウス・オブ・ブラッドのメンバーの裏切りの証拠を見つけ、彼らが国王に対し反乱を起こす可能性があると主張する、妻ファーティマにそそのかされて、このグループのメンバー全員を殺すよう命じます。このゲームでは、ストーリーの内容がスカンジナビア諸国である一方で、そこにはイスラム名のファーティマという名の女性が登場してくるのです。本来、イスラムではファーティマは最も優れた女性として知られているはずですが、このゲームでは冷酷な圧制者となっています。つまり、イスラムの預言者の娘ファーティマの神聖さが侮辱のターゲットになっているのです。

西側諸国のコンピュータ・ゲーム全体を見渡すと、その中にはイスラムに反する内容のゲームが見られ、それらはある種のイスラム恐怖症の動機付けとなっています。さらに、そのほかにも、イスラム教徒のユーザーをイスラムから離れさせ、それに代わって泡沫的な宗教や宗派の目的に仕向けようとしているゲームが数多く存在する、というのが現実なのです。