3月 22, 2017 14:41 Asia/Tokyo
  • 最近のOPEC情勢

昨年3月20日から始まったイラン暦の1395年度は、石油とエネルギーの経済世界において多くの混乱が生じた年でした。

この3年間における石油価格の過去最大の下落は、石油の生産国にとって不都合な出来事であり、世界経済に対する悪影響を伴いました。しかし、OPECは今年度、歴史的な決定を下したのです。

OPECは世界の石油供給の40%を占めており、石油価格の急落によって、大きな被害を受けました。

この大きな問題により、世界の石油の半分以上を生産しているOPEC加盟国の石油相やエネルギー相は、2016年9月、オーストリア・ウィーンに集まり、世界の石油市場の安定について話し合いました。

OPECには、イラン、アルジェリア、イラク、クウェート、リビア、ナイジェリア、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、エクアドル、アンゴラ、ベネズエラが加盟しています。OPEC加盟国は数ヶ月前、ウィーンの会議の前に、アルジェリアの会議で、OPECの生産枠を日量75万バレル減らし、日量3250万、あるいは3300万バレルにするという計画について合意していました。

この合意は2008年以来の合意とみなされます。これは、石油価格をわずかばかり上昇する要因となりました。この会議の結果、ウィーンで10月下旬に行われ、OPEC非加盟国の産油大国のロシアが参加したOPECの閣僚会合でも、石油の供給量を減らし、価格を上昇させるためにどのように石油生産を削減する計画を実施すべきかについて話し合われました。

サウジアラビアは当初、昨年1月の生産量の維持という計画を提示し、これに関して、カタール・ドーハで会合を開催しました。この計画の目的はイランへの圧力行使であり、2016年1月の生産量、つまりイランは日量100万バレルの生産枠を維持するということになります。一方、これは不公平な制裁により、イランの生産量が減少していた時代の生産量でした。つまり、イランはOPECにおける以前のシェアを生産することができず、一方でサウジアラビアは自国のシェアよりも150万バレル多く石油を生産し、原油を安く市場に供給していたのでした。

この問題に注目し、イランはアルジェリアの会合で、減産を免除され、制裁以前の生産量、つまり日量500万バレル近くまで生産量を増加することができると宣言されました。

しかし、なぜ、世界市場で供給過多になるほどまで、OPEC加盟国の産油量は増加したのでしょうか。

サウジアラビアはごく最近まで、日量平均でおよそ1020万バレルの原油を生産していました。これにより、2014年6月に1バレル当たり115ドルだった原油価格は、およそ30ドルから50ドルに急落しました。これは、サウジアラビアなど、石油収入に依存している国にとっては、経済的なショックのようなものでした。多くのOPEC加盟国と非加盟国の産油国が、金融危機に見舞われたのです。

このような状況の中、2016年9月と、2017年が始まる前、OPEC加盟国はウィーンでの歴史的な会合の中で、8年ぶりに初めて、日量120万バレルを減産することで合意しました。これにより、OPECの生産枠は日量3250万バレルから3300万バレルに定められたのです。しかし、一つ一つの国に対する制限は、現在も明確になっていません。OPEC加盟国は2016年11月30日、今年1月1日から発効した、生産枠に関する最終合意を締結しました。

イランのザンゲネ石油大臣は、この合意はOPECの加盟国、非加盟国にとって歴史的な合意だとして、OPECの会合に出席した国々は、この機関を支援するための準備を表明したとしました。

ロシアは、OPECに加盟していない産油大国として、今年1月1日から3月31日まで、石油生産を30万バレル削減し、日量1094万7千バレルにするとしました。しかし、OPECは先月、ロシアなどのOPEC非加盟国がこの減産の合意を完全に守らなかったと伝えました。

ロシアの新聞ニェザヴィーシマヤ・ガゼータは、次のように記しています。

「OPECは非加盟国4カ国、特にロシアに不満を抱いている。ロシアは非加盟国の減産枠の半分、つまり30万バレルを負担していた。つまり、OPECの表明によれば、92%、減産の合意を実施しているが、一方でOPEC非加盟国4カ国は、定められた量の50%しか減産していない」

OPECの合意により、OPEC加盟国は2017年の上半期、日量120万バレルを減産し、原油の総生産量は3250万バレルとなります。同時に非加盟国は、日量60万バレルを減産しなければなりません。

ロシアは、今年1月、日量13万バレルを減産したと発表しました。統計によれば、ロシアは昨年10月、活動を拡大し、日量1120万バレルの原油を生産して、サウジアラビア、アメリカを抜き世界最大の産油国となりました。

いずれにせよ、OPECの基本的な目的は、規約にあるように、加盟国の石油政策の統一と調整、加盟国の個人と集団の利益の確保に向けた最良の方法の決定、石油価格の安定に向けた計画、不必要かつ有害な触れ幅の解消です。

加盟国間の離間と、一部の加盟国の非独立性により、OPECは存亡の危機に瀕するほどのショックを受けました。一方このプロセスは、どの加盟国にとっても利益となっていません。この3年間における、かつてないほどの石油価格の下落は、産油国、特にベネズエラ、クウェート、そしてこの下落に大きな責任のあるサウジアラビアも、大きな打撃を受けました。

サウジアラビアの昨年の予算は800億ドルの赤字となり、今年もこの赤字予算は増えると予想されています。サウジアラビア発行の新聞アルワタンは少し前、サウジアラビアの建設会社ビンラディングループはおよそ5万人の外国人労働者を解雇したと伝えました。政治問題の専門家、ハーニーザーデ氏は次のように語っています。

「統計は、サウジアラビアがこの数ヶ月、経済問題の悪化に直面しており、サウジ政府の関係者は少し前におよそ270億ドルの国債を発行したことを示している。サウジアラビアの政府関係者は石油収入の大きな部分を、シリア、イラク、レバノンなどの一部の地域諸国におけるテロ支援や戦火の拡大、干渉のための費用、そしてイエメンに対する戦争の費用に割り当てている。国連開発計画によれば、サウジアラビアの石油収入は毎年数千億ドルに上るが、サウジアラビアにいる人々のおよそ70%は、この国の経済状況に不満を抱いており、経済など、さまざまな分野に関して、根本的な改革を強調している。近年の石油価格の下落は、確かに一部の石油輸出国に決定的な影響を与えているが、最終的に、石油市場におけるサウジアラビアの妨害行為で被害をこうむっているのは、サウジアラビアの石油によるモノカルチャー経済だ」

OPECは日量およそ3000万バレルの石油生産により、世界の石油需要のおよそ3分の1を満たしています。しかし、現在までサウジアラビアの妨害行為により、市場の安定に関して、よい形で活動することができず、運営における役割を果たすことができていません。

 

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