ペルシャ語ことわざ散歩(36)「ヒメウイキョウをケルマーンに運ぶ」
皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用表現、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。
今回ご紹介するのは、「ヒメウイキョウをケルマーンに運ぶ」です。
ペルシャ語での読み方は、Zireh raa be Kermaan bordanとなります。
ヒメウイキョウはキャラウェイとも呼ばれ、西アジアやヨーロッパを原産とするセリ科の植物の1つで、香辛料として使われています。
また、ケルマーンは現在ではイラン南東部の州の1つで、ピスタチオの生産やバムの城砦があることでも知られていますが、同時にこの地域はヒメウイキョウの産地とされています。
ヒメウイキョウの産地であるケルマーンに、わざわざ遠くからヒメウイキョウを運んでいく必要はないことから、このことわざは「無駄なことをする」という例えに使われます。
英語にも、これと似たような内容を表現するのに、「炭鉱の町ニューカッスルに石炭を運ぶ」というのがあり、イングランドにあるニューカッスルは、炭鉱の町として知られていることに由来しています。
例えば誰かの家を訪問する際に、相手のお宅が和菓子屋さんを営んでいるような場合に、お土産に和菓子を持っていくようなものではないでしょうか。
しかし逆に、外国に住んでいる私のところに、誰かが日本から日本の食料品をお土産に持ってきてくれた場合は、こちらでは手に入りにくいので本当にうれしく感じます。何事も、時と場合を考えて決定し、行動することが大切ですね。それではまた。
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