ペルシャ語ことわざ散歩(77)「壷に蓋をして水を飲め」
皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。
今回ご紹介するのは、「壷に蓋をして水を飲め」です。
ペルシャ語での読み方は、Begozaar dar-e kuuze aab-esh ra bokhorとなります。
この表現は一般的に、それまで苦労して獲得したものはもはや役に立たないので手放し、ほかのものを求めよ、という意味を表し、特に学歴をひけらかす人などに対して、それを戒めたり、或いは何かの肩書きや証明自体は決して無価値ではないものの、時代が変わって、それを生かせるような職業が見つからないような場合などに使われています。
このことわざは昔、人々が水を飲むのに壷の中に貯めておいた汲み置きの水を飲んでいたことに由来します。当時、飲料水を壷に入れて蓋をかぶせることで、常に中の水を冷たい状態で保管していたわけですが、壷の蓋は水を保管する壷に被せる以外に全く役立つことがないことから、このことわざが生まれたとされています。
通常は、このことわざの前、すなわち文頭に学歴や証明書、肩書きなどを持ってきて、~を壷の蓋にして水を飲め、という形で使われることが多いようです。
今や役所や会社など、紙版の書類がパソコン内のファイル、PDFなどに取って代わられ、またキャッシュレスの時代などとも言われるように、紙幣やコインといった現金のやり取りも徐々に減りつつあるようです。現在はネットやバーチャル空間がそれまでの紙媒体のものに取って代わっていますが、さてこれからまた時代が下って、今度は「パソコンやスマホ、バーチャル空間でさえも蓋にして水を飲め」といわれる時代が来るのでしょうか?それではまた。

