撤退米軍機からのアフガン民間人落下死事件から1年
アフガニスタンでは1年前、アメリカ軍が20年におよぶ占領の末に撤退する際、カーブル空港より飛び立つ軍用機から複数のアフガニスタン人が振り落とされて死亡し、多くのアフガニスタン人家族を永遠の悲しみに突き落とすこととなりました。
国際通信イランプレスがカーブルから伝えたところによりますと、アメリカ軍は、アフガニスタンにおける20年の駐留の間に、テロとの戦いを口実に、地上や上空からの攻撃で罪のないアフガニスタンの人々を、さまざまな形により殺害してきました。
同軍はさらに、アフガニスタンからの撤退時には別の犯罪も犯しています。
昨年アフガニスタンでタリバンが首都カーブルと大統領府を制圧して再び政権を掌握した後、アメリカ軍はカーブル空港から兵士らを撤退させる作戦を行いましたが、その最中に複数のアフガニスタン人が、別の国への脱出に人生の望みを託して、同軍貨物機の外部にこっそりしがみつきました。しかしこれらの人々は、この機体が飛び立ってから次々と振り落とされ、墜落死しました。この様子を捉えた映像は、世界中に広く拡散されました。
この事件の犠牲者の1人として息子が墜落死したモハンマド・ザーケル・レザーイーさんは、イランプレス記者のインタビューに対し、「米軍がカーブル空港から撤退を行っていた数日間、私の息子や他の多くのアフガニスタン人が、国外へ脱出しようと空港に押し寄せた」と語りました。
続けて、「米国は、国を離れたいアフガニスタン国民は誰でも米国に連れて行くと約束していたが、実際の振る舞いは全く別であり、多くのアフガニスタン人の人生を破滅させた」としました。
他にも多くのカーブル市民が、イランプレスのインタビューに答える中で、アメリカがアフガニスタン撤退時に取った行動は非人道的なものだったとして、「米軍機からのアフガニスタン人落下死事件は、国際機関において追及されるべきだ」と強調しています。
カーブル空港に配備されていたアメリカ兵はさらに、国外へ脱出しようと空港に押し寄せたアフガニスタン人の群衆に向けて発砲も行っています。
カーブル市民の一部はイランプレスに対し、「米国は、カーブル空港近くで爆発が起きたことも把握していたが、その中で多くのアフガニスタン人が命を落としたことは周知しなかった」と語りました。
アフガニスタンにおけるアメリカ軍の20年間の駐留は、おしなべて無辜のアフガニスタン人に対する人権侵害や犯罪に満ちたものでした。
米軍機から複数のアフガニスタン人が落下して死亡したことも、人権を主張するアメリカにとって、アフガニスタン人の命がいささかの価値もないことを示すものだったと言えます。