中国の戦闘機が、南シナ海飛行の米P-8哨戒機を追尾し警告
複数の米メディアは、南シナ海上空を飛行する米哨戒機が空対空ミサイル4発を装備した中国空軍戦闘機によって追尾されたと報じました。
ファールス通信によりますと、米海軍の哨戒機「P-8ポセイドン」に記者が同乗していた少なくとも3つの米メディアは、「空対空ミサイル4発を装備した中国空軍の戦闘機・殲11が、南シナ海上空を飛ぶこの米哨戒機を追尾した」と伝えました。
米ウォールストリート・ジャーナル紙は、この中国機は最初に米軍機の背後に現れた後、同機の上方を通過しながら翼より150メートルの距離にまで近づいたと報じています。
P-8は、米海軍で海上哨戒や偵察、空中からの警報発信、電子戦後方支援などに使用されている機体です。
同紙はさらに、中国軍の地上基地からP-8に向けて、 「米国機、こちらはPLA中国人民解放軍空軍だ。あなた方は中国領空に接近している。安全な距離を確保しなければ、迎撃されることになる」とメッセージを送ってきたと説明しました。
米NBCによれば、中国の警告を受ける数時間前にパラセル諸島北部を飛行していた同機が、このメッセージに対して「飛行は国際空域で行われている」と返したところ、中国側は2番目のメッセージとして、「これ以上近づかないように。そうしない場合の全責任はあなた方自身が負う」と伝えてきたということです。
中国機はこのメッセージの送信直後、米哨戒機の左翼から150メートルにまで接近し、同機がほとんど人のいない島嶼部上空を通過する1時間以上にわたり追尾し続けました。
パラセル諸島には、中国の軍事基地が複数あります。
NBCはさらに、アメリカの当局者が、「24日金曜に米哨戒機に同乗するNBCやCNNなどの複数メディアの記者により目撃された今回のような遭遇は、専門的なものと言える。しかし、中国と我が国の間でオセアニア地域での影響力を求めて競争が激化するのに伴い、発生件数はさらに増えていくだろう」と主張したことを伝えています。
NBCの報道によれば、この米哨戒機が南シナ海のパラセル諸島上空を飛行している間中、機内では米兵が特殊カメラで撮影されたレーダー画像を分析しており、その後、同機は沖縄にある米軍基地へ戻りました。
CNNの記者も、機内で自身が遭遇したこの事件について、「中国の戦闘機が米軍機に非常に接近し、中国機のパイロットが顔を自分たちの方に向けていることが分かるほどに近づいた」と語り、この出来事は南シナ海でアメリカと中国の間の緊張が高まっている証拠だと結論付けています。
これらの報道によれば、この米軍機は、誘導ミサイルを搭載した中国駆逐艦を発見して約300メートルの距離まで接近した後に、同艦から警告メッセージを受けたということです。