対イラン制裁解除協議、参加国の姿勢は?
EUのボレル外務安全保障政策上級代表が、欧米諸国に対し、核合意復活のために行動するよう求める中、イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は、アメリカに対して、合意成立のため現実的になるよう求めました。
ボレル上級代表は、26日火曜の英紙フィナンシャル・タイムズのコラムで、合意文書の草案が協議各国に提示されたことを明かした上で、アメリカがイランに対し行った「最大限の圧力」政策は失敗したとしました。
ボレル氏は、この合意草案を「完璧なものではないが、協議調整官として実施が可能である最良の合意だと考える」としています。
ボレル氏によって提示された合意草案は、イランに対して行使された制裁の解除の「詳細」と、イラン側がとる必要ある核合意完全履行に向けた措置について扱っています。
米国防総省のプライス報道官は26日火曜、この合意草案を検討している最中だと述べ、現在の行き詰まりの責任を転換し、イランが目の前にある機会を活かすことを望むとしました。
また、ウィーン協議調整官でEU対外活動庁のモラ事務次長も27日水曜、「可能な中で最良の合意が机上にある」とし、すべての協議参加国に対して、合意到達にむけ最後の一歩を踏み出すよう求めました。
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は、26日火曜夜、クウェートのアフマド・ナーセル外相との電話会談で、イランは約束に忠実であることを強調し、アメリカに対し、良好で強固な合意に到るため現実的になるよう求めました。
アミールアブドッラーヒヤーン外相は、オマーンのバドル外相との電話会談でも、イランが対話の窓を開け続けるためにイニシアチブをとってきたことに言及し、合意到達はアメリカの現実直視と柔軟性にかかっているとしました。そして、イランは強固で永続的な合意の成立にむけ真剣であると述べました。
これに対しオマーンのバドル外相も、協議が合意に達し、イランの正当な要求が実現することを支持しました。