視点
イラン革命防衛隊の治安貢献に対する欧州の懸念
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相が、スウェーデンのビルストロム外相との電話会談で、「ヨーロッパ諸国はテロとの戦いでイランイスラム革命防衛隊に負うところが大きい」とし、「わが国の革命防衛隊は欧州各国の首都をテロ組織ISISの攻撃の危険から救済した」と語りました。
今月18日、欧州議会の代表者らは、EUが指定するテロ組織のリストにイスラム革命防衛隊を加える修正案に賛成票を投じました。
もっとも、欧州議会の決定はあくまでも提案とみなされ、要請という形になっています。
欧州議会のこの反イラン的行動は、安全保障確立に向けた革命防衛隊の行動に対する欧州の不満と困惑の表れであると同時に、それはまた、一独立国の憲法から生まれた組織機関をテロリスト扱いするという欧州議会の法に反する異端行為を示しています。欧州議会のこの反イラン的行動も、国連憲章に基づけば正当性が欠如しており、それは国連憲章第 2 条第 7 項にも以下のように明記されています。
この憲章に含まれる条項のいずれも、国連が本質的にいずれかの国の国内問題への干渉を許しておらず、加盟国にもこうした問題をこの憲章の条項の適用とすることを義務付けていない。しかし、この原則は強制的な措置の第7章で予測されている強制措置の行使を妨げない。
ここ数カ月において、欧州諸国とEUは数回にわたりイランの軍司令官ら数名に制裁を科しています。
実際に、イスラム革命防衛隊は、テロリストとの徹底的な戦いにより、国内だけでなく、西アジア地域の治安確立に重要な役割を果たしてきました。反イラン組織モナーフェギン(MKO)からISISに至るまでの国内外のテロ組織との戦いは、イスラム革命防衛隊の経歴にしっかりと刻まれています。特に、この道で殉教した人物には、同防衛隊ゴッツ部隊のソレイマーニー司令官や他の抵抗の殉教者などがいます。
革命防衛隊は近年、地域、特にシリアでのテロとの戦いにおける強力な連合の結成に成功しました。この連合では、シリア軍、イラク軍、ロシア軍や民兵組織とともに、テロとの戦いで際立った効果的な役割を果たしました。実際、地域におけるこの民間部隊の助けを借りて、複数のテロ組織が破壊され、残存勢力・因子は逃亡しました。したがって、地域の現在の治安、そしてヨーロッパ諸国にとっての脅威と見なされていたISISの進出を阻止しているのは、革命防衛隊および抵抗勢力によるテロリストとの対抗と真剣な闘いの結果に他なりません。
革命防衛隊のサラーミー総司令官もこれについて、「当防衛隊、特にゴッツ部隊および殉教者ソレイマーニー司令官の指導者の尽力がなければ、アメリカによって生み出されたテロは確実にヨーロッパに広がり、今日のヨーロッパに浸透している安全保障は破壊されていただろう」と強調しています。