イラン大統領「イスラエルは表でも裏でもISISを支援してきた」
イランのペゼシュキヤーン大統領が、「我が国は、より良い世界の構築に向けて、世界や近隣の大国と平等な立場で有意義な関係を持つ用意がある」と述べました。
【ParsTodayイラン】ペゼシュキヤーン大統領は、24日火曜に第79回国連総会で行った一般討論演説で、アメリカの核合意離脱を批判し、「我が国と世界の大国は、機会を重視する考えによって核合意に到達した。我々は、自国の権利が認められ制裁が解除される見返りに、最も厳しい核の監視を受け入れた。しかしトランプ米前大統領の一方的な核合意離脱によって、政治面では脅迫重視、経済面では権力重視の考え方が表に出てくるようになった」としました。
続けて、IAEA・国際原子力機関によりイランが自国の核合意内責務をすべて遵守していると確認されたことに言及し、「我が国には核合意参加諸国と話し合う用意がある。もし核合意内の責務が誠意を持って完全に履行されるならば、他の問題についても協議が可能となるだろう」と強調しました。
また、アメリカ国民に向けたかたちで、次のように述べました。
「我が国は、あなた方の国境付近に軍事基地を作ってはいない。我が国は、あなた方の国を制裁対象にしてその世界との貿易を妨げてはいない。我が国は、あなた方の医薬品入手を妨げてはいない。我が国は、あなた方の世界の銀行・金融システムへのアクセスを妨げてはいない。我が国は、あなた方の軍の司令官を暗殺してはいない。しかし米国は、我が国で最も愛されていた司令官を、イラク・バグダッドの空港で暗殺した」
さらに、制裁が一国の経済を麻痺させるために使われる破壊的・非人道的な武器であることを強調し、「命に関わる医薬品の入手ルートを奪うことで、何千もの罪のない人々の命を危険にさらすという、制裁による最も悲痛な結果のひとつが示された。これは、明白な人権侵害というだけでなく、人道に対する犯罪でもある」としました。
一方、イスラエル政権の犯罪についても触れ、次のように述べました。
「我々はこの1年で、イスラエル政権の本質がどのようなものかを目の当たりにしてきた。この政権の指導者たちがどのように犯罪を犯し、11カ月という期間でガザで4万1000人以上の罪のない人々を殺害するのを見てきた。殺害されたのは、大半が一般の女性や子どもだった。しかし、イスラエル政権とその支援者らは、大量虐殺や子どもの殺害という戦争犯罪、そして政府テロを行いながら、それを『正当防衛』とうそぶいている」
その上で、西アジアと世界での70年にわたる情勢不安の悪夢を終わらせる唯一の方法は、パレスチナ人の自決権を回復させることであると強調しながら、「国際社会は早急に、イスラエル政権がガザおよびレバノンで行う暴力と戦争を止めなければならない」としました。
そして、イランが人々による自由のための運動を支持していると説明しながら、「イラン国内でイラン人の科学者や外交官、さらに外国の賓客を暗殺し、ISISをはじめとしたテロ組織を表でも裏でも支援してきたのは、イスラエル政権の側である」と述べました。
この他、ウクライナ戦争についても触れ、「我々は、ウクライナとロシアを含めたすべての人々にとっての平和を望んでいる。我が国は戦争に反対している。ウクライナでは早急な軍事紛争停止の必要があり、我々はあらゆる平和的解決策を支持する。この危機は、対話によってのみ終わらせることができる」と強調しました。