イラン、「アメリカの制裁延長は、核合意の違反」
イランの政府高官が、「アメリカのイラン制裁法の10年の延長は、実際、核合意の明らかな違反だ」と語っています。
アメリカの上院は1日木曜、全会一致で、イラン制裁法の10年延長案を可決しました。これ以前に、下院でもこの法案はほぼ全会一致で可決されていました。
イランのザリーフ外務大臣は、「アメリカのイラン制裁法の延長は国際社会によるアメリカ政府が信用できないことを示している」としました。
ザリーフ大臣は、3日土曜朝、インドに到着した際に、記者団に対し、「アメリカは核合意における取り決めに反して行動している」と述べました。
さらに、「アメリカ議会がイランに対して行った行為は、オバマ大統領が署名した場合にも、効力はない」としました。
イラン原子力庁のサーレヒー長官も、「イラン制裁法の延長案の承認は実際核合意の明らかな違反だ」と述べました。
サーレヒー長官は、2日金曜、IRIB通信のインタビューで、「イランは様々なことを想定し、これに関する反応を準備している」と語りました。
イラン外務省のガーセミー報道官も、「アメリカ議会の法案可決は、核合意やアメリカの取り決めに反している」と述べました。
イラン公益評議会のレザーイー書記も、この法案に反応し、「アメリカの行為はヨーロッパ、中国、ロシアへの拒絶反応だ」としました。
レザーイー書記はインスタグラムで、「イランはアメリカに対してあらゆる対抗措置に出るだろう」としています。
イランのアーハニー駐フランス大使は、「核合意を損なえば、アメリカの国際的な評判に大きなダメージをもたらすだろう」としました。
さらに、「核合意はイランとアメリカの間の取り決めではなく、イランと数カ国の合意だ」としました。
イランの国会議員も、アメリカ議会によるイラン制裁法の延長案の可決を、核合意の明らかな違反だとし、アメリカの一方的な制裁延長に真剣な回答を示すことを強調しました。
イラン国会議長団のメンバー、ランジュバルザーデ議員は、「こうしたアメリカの行動に対抗する目的で、核活動の再開に向けた第3緊急法案が作成される」と述べました。
さらに、「イランは世界に、違法行為を始めたのはアメリカであり、イランは対抗する以外にないことを表明する」と強調しました。
また別の議長団のメンバーのカーテブ議員も、「国会は、アメリカの異端行為に断固とした回答を示すだろう」としました。
イラン国会のアーレフ・テヘラン選出議員は、アメリカ政府は上院の承認事項に拒否権を行使する以外にはない」とし、「アメリカ上院の法案可決は、国際体制におけるこの国の信用を損なうものであり、アメリカに多くの影響をもたらすだろう」としました。
また女性国会議員のジェローダールザーデ議員も、「アメリカは核合意違反の結果がどうなるかを待つべきだ」とし、「イラン国会はアメリカ上院の法案可決に真剣な反応を示す」と強調しました。