ドキュメンタリー・イラン
テヘラン東部セムナーン州タダイヨン旧邸宅(日本語のナレーション付)
今回は、テヘラン東部セムナーン州にあるタダイヨン旧邸宅をご紹介してまいりましょう。セムナーン州は、シルクロード上に位置していることから、悠久の歴史を誇り、歴史的に特別な位置づけにあります。
セムナーン州の中心都市セムナーン市には、モハンマディーエあるいはタダイヨン邸と呼ばれる古い邸宅があります。これは、ガージャール朝時代半ばに建てられたもので、北側に位置する外部の家屋、そして南側に位置する内部の家屋で構成されています。南側の建物は2階建てで、北側と南側にまたがって左右対称をなしています。
この建物の敷地内に入ると、白い石膏の壁、茶色の扉や窓、そして赤茶色の煉瓦が敷き詰められた床、という色彩のコントラストが目に飛び込んできます。
この広間があるのは家の南側、この家のバードギール=上空の風を取り入れる風取り塔がある位置に設けられています。この部屋の3枚戸になったドアを開けると、中庭を臨むことができます。
砂漠地方の都市では、日差しが光に加えて猛暑を住民にもたらします。ここでは、日差しを避けつつもバランスの取れた空間が何よりも必要なのです。
中庭には、中央に円形の池があり、北側には中庭を囲むように2階建ての部屋があります。地下にも毎日十分日が差し込みます。
この邸宅のバードギールは、建物の南側の外見に変化をもたらしています。この部屋の下には水をためた小さな池があります。 バードギールからこの部屋に吹き込む夏の暑い風は、池の水によって冷却され、室内の気温を快適にしてくれます。 この建物は、今から120年以上前にイランの国定史跡に登録されました。
セムナーンの有名な郷土土産には、シールマール(パン)、コマーチ(郷土銘菓)、さらには様々な形やデザインを誇る銅や陶器などの工芸品などがお勧めです。
そして、この地域を訪れたからには是非、郷土料理の小麦入りの炊き込みご飯をご賞味ください。
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