イランとの取引に関するロンドンの会合
核合意の実施が始まったことで、イランに対する制裁が解除されてから数ヶ月がたちます。
アミーンザーデ解説員
対イラン制裁が解除されたこの期間において、経済、通商、産業など、イランのさまざまな分野に参入するため、多くの政治家や経済活動家が、イランを訪れています。一方で、報告によれば、イランの市場に参入する上で、いまだに障害や制限が存在するということです。そのひとつに、イランの金融体制への対応が挙げられます。
アメリカとそのヨーロッパの同盟国は、EUのモゲリーニ外務安全保障政策上級代表とともに、20日金曜、ロンドンで行われた会合で意見交換を行いました。これらの国はヨーロッパの企業や銀行に対して、イランで投資活動を行うよう要請し、多くの制裁が解除された現在、イランとの合法的な貿易を奨励するため、より多くの措置が行われることになるとしました。これらの国々の関係者は、この会議の後、企業に対する奨励を促進し、イランとの通商関係を再開するため、より多くの支援と情報を提供すると公約しました。これらの国々はまた、共同声明の中で、我々はイランとの合法的な通商活動や、イランとの取引を行う金融機関や国際企業を妨害しない、ただしこれらの金融機関や国際企業がすべての関連する法律を守る場合にのみ適応されるとしました。
イラン中央銀行のセイフ総裁も、ユーロマネー・イラン会合に出席し、西側の銀行が取り決めを守っているか追求するため、ロンドンを訪問しました。セイフ総裁は20日、イギリスのハモンド外相との会談で、核合意に基づいて西側の銀行が取り決めを履行する必要性を強調しました。ハモンド外相もこの会談で、イギリスによる核合意の取り決め履行を強調するとともに、「イギリス政府はほかのヨーロッパ諸国と協力し、イランとの銀行取引が通常化・簡易化するための適切な制度を構築しようと努力している」と述べました。
数週間前にも、イランとの銀行関係を正常化するため、ロンドンで、イギリスとその他のヨーロッパ諸国の銀行の幹部による会合が開催されました。
しかし、このような会合や公約に満足するだけでなく、確認できる成果を得て、イランの銀行が国際銀行と通常の関係を構築できるよう、倍の努力が行われなければなりません。核合意が実施されたとき、イランに対する制裁の大部分は解除されました。一方、外国企業、特にヨーロッパの銀行は、アメリカの反応を恐れていたため、イランとの取引を再開しようとしませんでした。こうした中、計画や契約の実施のための、絶対的な前提条件とは、イランとの銀行関係の正常化なのです。
イギリスのHSBC・香港上海銀行は先週、「イランとの取引を行う予定はない。なぜならアメリカは、アメリカ以外の銀行がイランと取引を行うことを奨励している一方で、いまだにアメリカの銀行はイランとの取引を禁じられているからだ」としました。また、ドイツのドイチェバンクも、「これまでどおり、イランとの取引に制限を加えている」としました。こうした中、イランの産業への投資と通商関係に対する大きなチャンスや、石油などのエネルギーに恵まれていることは、世界経済がイランとの協力を強化する適切な下地となります。IMF・国際通貨基金のリプトン筆頭副専務理事は最近のイラン訪問の中で、「核合意実施後の状況は、イランが経済の安定を強化し、より強力な経済成長に達するために必要な措置を実行に移す、例外的な機会を作り出している」と語りました。
明らかに、イランは核合意のすべての責務を実施し、相手側がその責務を実施することを期待しています。しかし、核合意とは直接関係がないアメリカの妨害は、イランと外国の銀行取引の障害となっています。現在、ロンドンの会合の声明が、どれほど状況を変えることができるのか、見守っていく必要があるのです。