日朝平壌宣言から20年、北朝鮮「日本が白紙に」と非難
日朝平壌宣言から20年を迎えるに当たり、北朝鮮が「宣言を白紙にした」として日本を批判しました。
韓国・ヨンハプ通信によりますと、日朝平壌宣言からあす17日日曜で20年を迎えるのを前に北朝鮮外務省は16日金曜、宋日昊(ソン・イルホ)日朝国交正常化交渉担当大使の談話を発表し、日本政府に「宣言を白紙にした責任を取れ」と強迫しています。
この談話は「日本は平壌宣言を拉致、核、ミサイル問題を解決するためのものに歪曲(わいきょく)し、不純な政治的目的の実現に悪用した」と非難しており、「わが国(北朝鮮)の莫大(ばくだい)な人的、物的、精神的な財産を略奪し、朝鮮民族に前代未聞の不幸と苦痛を負わせながら、反省どころか罪悪感も持たず、むしろ被害者を装おうとしている」と主張した内容となっています。
さらに「日本政府は朝日平壌宣言に対する背信的行為の責任から決して逃れることはできない」とし、日本での反北朝鮮、反在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)策動の全てを清算すると警告しました。
日朝平壌宣言は2002年9月17日に北朝鮮・平壌で、北朝鮮のキム・ジョンイル総書記と日本から訪朝した小泉純一郎首相(いずれも当時)が調印した宣言文です。
この中でキム・ジョンイル氏は日本人拉致を認めて再発防止を約束し、拉致被害者の一部が帰国しましたが、その後拉致問題は完全解決に至っておらず、国交正常化交渉も進展していません。
日本の報道各社によりますと、岸田首相は、北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党総書記に対し「直接向き合う覚悟だ」と語っていますが、北朝鮮側に応じる動きはないようです。
北朝鮮のこうした姿勢は、ウクライナ問題による国際情勢の変化も影響しており、日本政府としては直ちに有効な策がないのが実情と見られます。