三菱UFJMS藤戸氏、「日経平均3万円は、なお上値余地あり」
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東京の取引所
日経平均株価が3万円を回復したことについて、三菱UFJモルガンスタンレー証券のチーフ投資ストラテジスト、藤戸則弘氏が「今回は30年前とは異なり、世界全体の流動性相場となっている」とコメントしました。
ロイター通信が15日月曜、東京から伝えたところによりますと、藤戸氏は「30年前は日本単独のバブルだったのに対し、今回は世界全体の流動性相場であることが異なる。企業収益の向上が見込めるため、なお上値余地がある」との見解を示しています。
また、「最後に3万円に乗せていた1990年8月、起きた事件はフセイン大統領によるイラクのクウエート侵攻だった。平成の金融引き締め策も加わり、そこから株価は下げ続け、きょうに至るまで回復できなかったことを思うと感慨深い。当時、ファンドマネージャーとして、下落リスクから日経平均先物を売りまくっていたことを思い出す」とコメントしました。
さらに、80年代のバブル期と現在との違いについては、「景気悪化による金融緩和策と財政出動という仕組みは当時と同じだが、前回は円高不況克服という日本単独のものだったのに対して、今回はコロナ禍克服のために、日銀、FRB(米連邦準備理事会)、ECB(欧州中央銀行)と世界3極がいずれも超緩和策を打ち出し、各国が巨額の財政出動を行うなど、世界的な潮流となっていることが根本的な相違点だ。コロナ禍に対しイノベーション対応した企業の業績は好調だ。それらを買っている訳で、単に土地持ち企業を買っていた過去とは異なり、今は理性的な動きと言える」としています。
さらに、現状は一概にバブルとは言えない、とした上で、今後の日本株の見通しについて、「業績好調な業種は来期もさらに収益が上向くだろう。加えて、ワクチンの接種が始まれば、今後はコロナ禍で低迷した企業の業績回復も見込まれる。さらなる上値余地があるのではないか」とコメントしました。
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