ユニセフが警告、「イエメンでは10分に1人の子どもが死亡」
ユニセフ国連児童基金が、イエメンの戦災下の子どもの状況に関して警告し、「イエメンでは、10分に1人の割合で子供が『未然に防げるはずの理由』で死亡している」と表明しました。
ユニセフは声明の中で、「イエメンで紛争が始まってから7年、この国では 2070 万人が人道支援を必要としており、同国の子供たちも瀬戸際に立たされている」としています。
また、「戦争勃発から7年経った今でも、イエメンの子どもたちは最も基本的な権利を奪われている。開戦以来、1万200人以上の子供が死傷し、5歳未満の子供240万人近くが栄養失調に苦しみ、50万人以上の子供が『重度の』栄養失調に苦しんでいる」としました。
ユニセフの声明ではさらに、イエメンの医療保健機関のうち稼働しているのは51%のみで、これらの機関も医薬品、機器、人員の深刻な不足に直面しているため、イエメンでは10分ごとに「未然に防げるはずの理由で」子供が死亡しているとなっています。
ユニセフは続けて、「数百万人もの子供たちが学校に通えず、200万人以上の子供たちが家を離れ、非常に困難な状況で生活することを余儀なくされている」としました。
サウジアラビア、アメリカ、アラブ首長国連邦、および他の複数の国から成るアラブ連合は、2015年3月よりイエメンへの軍事侵攻を開始し、同国を完全に封鎖しました。
アラブ連合軍は、イエメンから数百万バレルの石油を盗み出しているだけでなく、同国へ燃料を運ぶ船舶の拿捕や入港妨害により、戦争で荒廃したこのアラブ圏最貧国に、石油製品、燃料、医薬品などの不足の危機を引き起こしています。
イエメン国民は、アラブ連合軍が勃発させた戦争により、世界最悪規模の人道危機に見舞われています。
国連によれば、イエメン総人口3000万人の約4分の3にあたる2300万人以上、うち子供1200万人以上が8年目になろうとするイエメン戦争により人道支援を必要としています。
さらに同国では、200万人以上の子どもたちが栄養失調となっています。また、900万人の子どもを含む1700万人以上が、上水道、衛生、医療などが行き届いていないことにより苦しんでいます。