パレスチナ各組織がシャルム・エル・シェイク首脳会合を失敗と見なす理由とは?
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パレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスが声明の中で、エジプト・シナイ半島シャルム・エル・シェイクで行われたパレスチナ・ガザ和平をめぐる首脳会合を無視し、パレスチナ人の正当な権利を実現する必要性を強調しました。
(last modified 2025-10-15T09:33:11+00:00 )
10月 14, 2025 16:50 Asia/Tokyo
  • エジプト・シナイ半島シャルム・エル・シェイクで行われた首脳会合
    エジプト・シナイ半島シャルム・エル・シェイクで行われた首脳会合

パレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスが声明の中で、エジプト・シナイ半島シャルム・エル・シェイクで行われたパレスチナ・ガザ和平をめぐる首脳会合を無視し、パレスチナ人の正当な権利を実現する必要性を強調しました。

ハマスはこの声明において、シオニスト政権イスラエルの刑務所からパレスチナ人捕虜が釈放されたことに祝意を示すとともに、これを歴史に残る国民的成果とみなした上で「パレスチナの抵抗と民族的権利の堅持こそが、シオニストによる占領からこの地を解放し、難民を帰還させ、独立国家パレスチナを樹立する唯一の道である」と表明しています。

ハマスは「イスラエル政権の関係者、特にベンヤミン・ネタニヤフ首相、イタマール・ベングヴィル治安相、ベザレル・スモトリッチ財務相は、抵抗の成果に対するパレスチナ国民の喜びを阻止することはできない」と警告しました。

シャルム・エル・シェイクで今月13日に開催された首脳会談は、ハマスやパレスチナ・イスラム聖戦運動などのパレスチナ抵抗組織が参加しなかったにもかかわらず、アメリカ当局の主張によれば、その主な目的は停戦合意成立とガザ戦争の終結とされていました。

パレスチナ抵抗勢力は、シャルム・エル・シェイク首脳会合がパレスチナ人の真の権利実現にとっては非合法かつ無効であると考えています。また、彼ら自身が交渉に直接参加していないことから、外交プロセスとは独立した形で自らの優先事項を追求しています。特にアメリカによるイスラエルへの武器供与と政治的支援を踏まえ、米国の仲介役としての役割に対する不信感から、パレスチナ抵抗勢力はこの首脳会談を真の和平への努力ではなく、事実上の政治ショーとみなしています。

ハマスのフサム・バドラーン政治局員は「シオニスト政権が停戦協定に違反した場合、抵抗勢力は反撃するだろう」と警告し、「いかなる合意も抵抗勢力の原則からの後退とみなされるべきではない」と述べました。パレスチナ抵抗勢力は、「履行保証がなく紛争当事者の直接的な介入がない合意は持続不可能である」と考えています。

パレスチナ抵抗勢力は、今回のシャルム・エル・シェイク首脳会合を、パレスチナ国民の真の権利よりも大国とイスラエル政権の利益を重視したプロセスの一部と見なしています。また、難民の帰還権、占領の終結、シオニスト入植地建設の停止、そして捕虜の釈放を重視しており、仮に公式交渉で提起されなくとも、これらの問題を優先課題としています。

アメリカ政府は、イスラエル政権にとっての主要な軍事・政治的支援国でありながら、仲介者を自称しています。そのため、パレスチナ抵抗勢力は、米国の役割を偏向的で不公平だと見なしているのです。パレスチナ抵抗勢力、特にハマスやパレスチナ・イスラム聖戦運動といった組織は、今回シャルム・エル・シェイクのような会合を信用していません。その理由は、これらの会合がパレスチナ人の権利の実現ではなく、イスラエルの占領と西側諸国の利益を強化するための政治プロセスの一環でしかないと見なされることにあります。

ハマスとパレスチナ・イスラム聖戦運動はさらに、今回のような首脳会合は無効で成果がなく、パレスチナ国民の願望に反すると考えており、現地での抵抗や地域の仲介者との非公式交渉を通じて自らの優先事項を追求したいと考えています。

シャルム・エル・シェイク会合のような話し合いの場が、主要当事者の真の参加や出席なしに、しかもパレスチナ人の基本的権利を無視し、西側諸国を中心として開催される限り、パレスチナ人の権利の実現にはつながりません。ハマスとパレスチナ・イスラム聖戦運動は、抵抗を単なる侵略への反応ではなく、パレスチナ人の権利実現に向けた長期的な戦略と捉えています。これらの組織は、現場での圧力と闘争の継続なしには、いかなる外交メカニズムもパレスチナ人の要求を叶えられないと考えています。

抵抗勢力の視点から見ると、今回のシャルム・エル・シェイク首脳会合のような協議の場は、主にシオニストによる占領の定着化と対イスラエル関係正常化を目指す米国とその西側同盟国の影響下で開催されていると見なされます。こうした不信感は、パレスチナ人の正当な権利を無視し、過去の合意や一時停戦がイスラエルの利益を図るように設計されていたという歴史的経験に根拠があります。

ハマスとパレスチナ・イスラム聖戦運動という2つの抵抗組織は歴史的経験に依拠し、複数の会合の政治的構造を分析し、抵抗の原則を強調した上で、「現場での抵抗と継続的な圧力を通じてのみパレスチナ人の権利を回復でき、シャルム・エル・シェイクのような会合はパレスチナ人のための正義を実現する道ではなく、逆に危機管理と占領の定着化のための手段となっている」と結論付けました。

 

 


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