フロリダ州銃乱射事件、アメリカのイスラム恐怖症拡大
アメリカ・フロリダ州オーランドのナイトクラブで起きた銃乱射事件は、この国に新たなイスラム恐怖症の波を引き起こしています。
アボルファトフ解説員
アメリカ共和党のトランプ氏は、オーランドの銃乱射事件の後、アメリカでテロ攻撃が起こることを予想していたとし、改めて、外国で生まれたイスラム教徒のアメリカ入国を禁止すべきだとしました。トランプ氏は以前、イスラム教徒に反対する発言を繰り返していました。トランプ氏はツイッターで、「オーランドで起きた出来事は始まりに過ぎない。私はイスラム教徒のアメリカ入国の禁止を求めている」と発言しました。さらに、オバマ大統領は、「イスラム過激主義」という言葉さえ使わなかったため、辞任すべきだとしました。
オバマ大統領は12日日曜、50人以上が死亡したオーランドの事件の後、「アメリカの国民は一致団結し、恐怖に屈することも、互いに敵対することもない」と語りました。オバマ大統領は、事件の捜査はまだ始まったばかりだと強調しながら、「この事件はテロだったと言える十分な情報がある」と述べました。
アメリカ最大のイスラム教徒の権利擁護団体であるアメリカ・イスラム関係評議会の理事長も、イスラムとテロの一切の関係を否定し、「この種の攻撃の裏には、犯罪者、テロリスト、過激派がいる。彼らはこのような行動によって対立を生じさせようとしている」と語りました。さらに、「アメリカのイスラム教徒は、声を大にして、テロリストの威嚇や憎悪、嫌悪に屈しないと宣言する」と強調しました。
ニュースメディアは、この事件はアメリカ史上最悪の銃撃だったとしています。ロイター通信は、「テロ組織ISISが、12日、この銃撃の犯行声明を発表したが、アメリカ当局は、この事件とISISの関係を示す証拠を手に入れていない」と伝えました。
この事件の捜査に近い2人の関係者は、「オーランドの銃乱射事件とISISや他の過激派を直接結びつける証拠は見つかっていない」と語りました。さらに、「容疑者がISISの影響を受けていた可能性はある」としています。また、容疑者がISISに傾倒していたことを、アメリカの治安当局が把握していたとする情報もあります。FBIの関係者は、「FBIは、2013年からオマル・マティーン容疑者の存在を把握していた」とし、「マティーン容疑者の“同僚への攻撃的な言動”により、テロ組織とつながりがあることが分かった」と強調しました。
マティーン容疑者は、事件を起こす数分前にISISへの忠誠を誓っていたといわれています。また、民間警備会社の警備員として銃器の扱い方の訓練を受けていました。
アメリカでは、年間2万人以上が、銃犯罪によって死亡しており、銃の乱射事件による犠牲者の数は、1000人を超えています。