オランダ人権機関が、米の制裁恐れ人種差別的判断下す
(last modified Wed, 28 Jun 2023 10:36:57 GMT )
6月 28, 2023 19:36 Asia/Tokyo
  • オランダ半導体製造装置大手ASML
    オランダ半導体製造装置大手ASML

オランダの人権機関が、同国半導体製造装置大手ASMLが国籍を理由に求職者の雇用を拒否したことに対し、是正対象にはならないとしました。

人権監視機関であるオランダ人権研究所はこのほど、アメリカの機密に関わる技術を獲得する可能性があるという理由で、ASMLイランシリアキューバ北朝鮮の国籍を持つ求職者に対し、オランダの法律に反するとしてもその雇用を拒否できるとしました。

ロイター通信によりますと、オランダ人権研究所がASMLの国籍による雇用拒否を認めたことを、同社も歓迎したということです。

オランダ・フェルトホーフェンに本部を置くASMLは、世界でも有数の半導体装置・半導体チップメーカーの1つで、120の国々から3万1000人以上の従業員を雇用しています。

しかし、シリア出身の電子工学エンジニアが先日、ASMLの最終採用選考で国籍を理由に雇用を拒否されたこと受けて、オランダ・ロッテルダムにある反差別団体は、ASMLに対する申立てを行い、オランダの法律では国籍による差別が許されていないと強調しながら、その雇用が是正されるべきだと主張しました。

オランダ人権研究所は今回、この申立てを退けて、「米当局が定めた規則は、時に同国の外にも影響を与えている。これらの規則は、オランダの立法機関が定めたものではないが、事実上ASMLが従わざるを得なくなっている」と説明しました。 

ASMLは、反差別財団の申し立てに対する回答として、「これらの国からの人材雇用は、米国の規則にかかることから、当社が同国の制裁を受け事業停止に追い込まれるリスクがある」としていました。

 


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