米警察が、窃盗容疑の黒人妊婦を射殺
9月 02, 2023 19:32 Asia/Tokyo
アメリカ・オハイオ州の警察が、窃盗の疑いをかれられた20代の黒人妊婦が逃げようとして撃たれ死亡した先月24日の事件をめぐり、警官のボディカメラに記録されていた映像を公開しました。
ファールス通信によりますと、公開された映像には、オハイオ州コロンバス郊外ブレンドンにあるスーパーの駐車場で、21歳の黒人女性タキヤ・ヤングさんが殺害された瞬間が映されていました。
ヤングさんは11月に出産を控えていましたが、警官の銃撃を受けて胎児と共に死亡しました。
ブレンドン警察署長は、これを「悲劇的」な出来事だとしながら、窃盗容疑をかけられていたヤングさんが「警察の検問に応じず、警察官に向かって車を運転して突進する中、銃撃での対応が取られた」と主張しました。
ヤングさんの家族は、「今回の殺害は、防ぐことが可能だったにもかかわらず、警察が職権を乱用して、人種的嫌悪に基づく犯罪を犯した」と訴えています。
公開された映像には、スーパーの店員が警官に対し、女性が店の品物を盗んだと話している声も入っています。
ヤングさんの弁護士は、警察の銃使用には正当性がないと主張しています。
アメリカでは近年、警察による黒人への残虐行為に対し抗議するデモが、全米で繰り返し行われています。中で最も大規模に続けられているのは、2020年に起きたジョージ・フロイドさん殺害後に始まったものですが、活動家らによれば、警察の人種差別的体質や黒人への組織的差別行為に変化は見られていないということです。
アメリカの統計によれば、武器を持たない黒人は男女問わず、警察に射殺される可能性が白人よりも大幅に高くなっています。