米NYT紙、「イランは地域情勢で米に王手」
1月 10, 2024 20:14 Asia/Tokyo
米紙ニューヨーク・タイムズは、西アジア情勢に関する記事で、「イランは地域情勢のチェスゲームでアメリカに王手をかけた」と記しました。
同紙はこの記事の中で、「バイデン米大統領とその安全保障担当の側近らは数カ月前、イランや抵抗勢力と衝突する可能性を自分たちが上手にコントロールしていると考えていた。しかしハマスとイスラエルの戦争は、そのような米当局者の頭の中の考えを一変させた」と記しました。
この記事はまた、アメリカが核合意から離脱したことに触れ、「欧米の諜報当局は、イランはアメリカやイスラエルとの直接衝突は望んでいないと言っているが、イランは自らの能力を、必要以上に誇示したがっているように見える」としました。
そして、イランと中露の協力関係について、「イラン・ロシア・中国は、単なる同盟者ではなく、制裁を打ち負かすパートナーとして互いの傍にいる」としました。
また、米諜報当局者がイランはハマスを刺激していないと語っていることを強調し、「ハマスとイスラエルの間での戦争勃発後、西アジアの抵抗勢力が米軍基地への攻撃を行い、世界海運大手マースクが紅海での船舶運航を取りやめる原因になるなどしている」と記しました。
同紙は、英シンクタンク「チャタム・ハウス」で西アジア・北アフリカのプロジェクトマネージャーを務めるサナム・ワキール氏の発言を紹介し、「私は、イランがアメリカとその利権を相手に西アジアで王手をかけ、優位な位置に立ったと見ている。イランは、すべての自国国境で活発に活動し、あらゆる変更の試みに抵抗を示している。また、ウラン濃縮もきわめて警戒すべき水準で行っている」としました。