ICC主任検察官が、イスラエルによるラファ攻撃に懸念表明
ICC国際刑事裁判所のカリム・カーン主任検察官が、パレスチナ・ガザ地区南部の国境都市ラファに対しシオニスト政権イスラエルが行う攻撃に懸念を表明しました。
ネタニヤフ・イスラエル首相はこれに先立ち、2週間以内にガザ南部ラファに対する地上攻撃を開始すると表明していました。
ラファでは、昨年10月7日にイスラエルがガザ攻撃を開始して以来、避難民が押し寄せたことで住民の数が以前の5倍に増加し、現在では、ガザ地区の総住民230万人のうち約140万人が、ラファという非常に限られた区域に住んでいることになります。
ロシア・スプートニク通信によりますと、カリム・カーン主任検察官はSNSの「X」上において、「ガザ南部に対するイスラエル政権軍の空爆、そして地上攻撃の可能性に関する報道を、非常に懸念している」と投稿しました。
また、「国際刑事裁判所ローマ規程に記載されている犯罪を行った責任者の訴追を目的としての、イスラエル政権の犯罪に関する捜査が、緊急に実施されている」と述べています。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルも声明を発表し、「近く発生しうるイスラエル政権の地上攻撃での大量虐殺の危険が、ラファを脅かしている。それは、民間人が爆撃から避難する場所がないからだ」と警告しました。
これに関して、国連のカラマール特別報告者は、今後予想されるイスラエルのラファ地上攻撃に関して、「国際社会は、ラファでの大量虐殺阻止に向け措置を講じる責務がある」と表明しました。
カロリーヌ・ジュネ・ベルギー開発協力・大都市相は12日月曜、同国首都ブリュッセルでのEU加盟国開発相非公式会議に先立って、ガザ地区への人道的アクセスを増やすよう呼びかけるとともに、罪のない民間人に対する支援継続の必要性を強調しました。
また、カナダのメラニー・ジョリー外相も、イスラエルによるラファへの地上攻撃の可能性を「壊滅的」なものだとし、ガザ地区での恒久的な停戦を呼び掛けました。
イスラエル軍は、ガザ北部への攻撃を開始した際、「封鎖中のガザ地域の南部は安全で、北部の住民は南部に行ける」と主張していましたが、戦争が継続する中で、ハーンユ二スを初めとしたガザ南部への地上攻撃や空爆が行われ、パレスチナ人避難民を再び追い立てる形となっています。
パレスチナ人避難民は、ハーンユ二スへの攻撃開始後、ラファに避難していますが、イスラエルは彼らをパレスチナ領から強制的に追い出そうとしています。
これらの避難民の多くは現在、ガザ地区とエジプトの国境の壁の近くにテントを設置しています。
数十万人ものパレスチナ人避難民は、冬の厳しい寒さの中、屋外のテントで生活しており、インフラや飲料水の不足、停電、保健医療システムの混乱などによる非常に困難な状況に苦しめられています。
最新の統計によりますと、2023年10月7日に虐殺者政権イスラエルのガザ侵攻が始まってより、パレスチナ人殉教者数は2万8000人以上、負傷者数は6万8000人近くに達しています。