アメリカでの政治改革の強調
アメリカ大統領選挙の予備選挙で、サンダース氏がウエストバージニア州で勝利した後、支持者を前に、「選挙の結果はアメリカの人々が政治革命の用意があることを示している」としました。
アボルファトフ解説員
民主党のサンダース氏は、「アメリカは1%の人々のためだけでなく、すべての人々の利益になる経済を必要としている」と強調しました。サンダース氏は再度、最低賃金の増加、安価な医療保険の拡大、国立大学の無料化を強調しました。
バーモント州選出の左派上院議員のサンダース氏は、こうした計画を提示することで、これまで20の州で勝利し、民主党の950万人の支持を受けています。サンダース氏は、クリントン氏に比べて、知名度も低く資金源も少ないにもかかわらず、獲得代議員数1430人を獲得しています。とはいえ、数字上の計算によれば、サンダース氏が民主党候補になるチャンスはそれほど高くないでしょう。彼は候補になるために、残りの予備選挙で少なくとも83%の票を獲得しなければならず、2月の党内での競争が始まった当初からのクリントン氏の勝率に注目すると、サンダース氏が候補になる確率は非常に低いです。いずれにせよ、サンダース氏は次期大統領選挙の流れに影響を及ぼしました。
サンダース氏は、社会的な不公正、社会格差、富裕層の影響、拡大する貧困などに対して強い怒りを示している市民の代表者です。経済的、社気的な統計や指標はアメリカでのこうした不平等を物語っています。例えば、アメリカで400人の富裕層の資産は、この国の人口3億700万人の半数の財産に相当します。また公式統計によれば、アメリカでは800億ドルの資産を持つ人が暮らしている一方で、4500万人が貧困ライン以下で暮らし、また同じだけの人が医療保険に加入していません。
こうした中、アメリカでは、多くの国と比べて富裕層の政治への影響が明らかであり、政治家は莫大な選挙費用を確保するために、資産家や大企業に依存しています。彼らは政治家を権力につかせる道を整え、政治家もまた、自分たちの資金の援助者に有利な法を可決、施行させようとしています。こうした階層は1%の人々と呼ばれ、アメリカの人口の1%のみを占めることで、資産や権力の99%を支配しています。
サンダース氏はこの1年、アメリカの社会的な不平等を指摘し、政治的、経済的システムを批判することで、民主党の最有力候補であるクリントン氏のライバルとなりました。クリントン氏は、現状維持者を代表している一方で、サンダース氏は政治・経済革命を訴えています。とはいえ、政治革命を訴える代表が最終的に現状維持の代表を破る可能性は低いでしょう。こうした中、2016年の選挙とそれ以前の2008年の選挙は、アメリカの人々が国の現状にどれほど不満を感じ、変化をスローガンにしたオバマ氏、公正をスローガンにしたサンダース氏、さらにはアメリカの繁栄復活をスローガンにしたトランプ氏といった人物の公約に引き寄せられていることを示しているのです。