米で、受刑者が服役から21年後に冤罪証明
アメリカで、殺人犯とされた受刑者市民が無実のまま21年間に服役した後、裁判官により冤罪が証明されました。
BBCによりますと、米カリフォルニア州の弁護士オードリー・マクギン(Audrey McGinn)氏は「殺人被疑で収監されたアレクサンダー・トレース(Alexander Torres)氏は犯行に及んでいないにもかかわらず有罪判決を受けた。彼は、家族や愛する人と一緒に本来あるべき生活を始めてしかるべきだ」と述べています。
当時20歳でストリートギャングのメンバーだったアレクサンダー・トーレス氏は、2000年12月31日にパラマウント郊外で車で乗り付けたうえで、ライバルのギャングメンバーであるマーティン・ギトロン(Martin Guitron)氏を射殺したとして告発されました。
トーレス氏は2001年1月18日に逮捕され、取調べに対し「母親の車が故障した後の喧嘩を含め、ギトロン氏との間に諍いがあった」と語りましたが、裁判所の記録によると、同氏は事件当日の夜は自宅から外出していませんでした。
2006年にはトーレス氏の兄弟に雇われた私立探偵が、逃走中の車の運転手とインタビューし、同運転手からはトーレス氏が銃撃の現場にいなかったという証言を得ており、また裁判所の記録によれば、別の男が殺人に及んだとされていました。
検察官らは、その別の男はトーレス氏に身体的特徴が酷似していると述べていました。
これ以前にも、アメリカでは黒人市民のケビン・ストリックランド氏が、42年4か月という不当な刑務所収監の後に釈放された事例があります。
42年の服役は、米国史上最長の司法上の誤りによる冤罪者服役事例の1つです。
ストリックランド氏は、釈放時は60歳代に入っており、車椅子に乗っていました。