スイス経済相、「西側の対ロ制裁は目的を果たさず」
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スイスのギー・パルムラン経済相
スイスのギー・パルムラン経済相が、「西側諸国がロシアに科している制裁は、ウクライナでの戦闘行為を早く終わらせることであったすれば、目的を達成できていない」と表明しました。
ロシア・スプートニク通信によりますと、パルムラン氏は、スイスの日刊誌「ブリック」のインタビューに対し「制裁の目的がウクライナでの戦争をできるだけ早く終わらせることだったとしたら、この目的はまだ達成されていないことに注目する」と述べています。
また、「制裁の効果はそれが完全に実施され、他の政治的、外交的、法的手段との組み合わせで適用されるかどうかに大きく依存する」と指摘しました。
EU首脳は先月30日、ベルギー・ブリュッセルでの首脳会議初日の総括として、対露制裁第6弾のパッケージにロシア産石油の一部禁輸を含むことで合意しました。
パイプラインを介した石油の輸入は制裁の対象とはならず、海上輸送によるロシア産石油が制裁の対象となります。
アメリカおよび日本を含むそのほかの西側諸国は、今年2月24日に始まった、ウクライナにおけるロシアの特殊軍事作戦への反応として、大規模な対ロシア経済制裁を行使してきました。
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長によれば、こうした制裁により、2022年末までにEUはロシア産石油の輸入を事実上90%近く削減するとされています。
しかし、西側諸国はこれらの一連の制裁を行使する一方で、石油・天然ガスをはじめとする経済分野での対ロシア制裁の強化により、ヨーロッパ経済や世界のエネルギー市場の状況はこれまで以上のかく乱されることを危惧しています。
これまでロシアに対し行使された各種の制裁により、ヨーロッパ経済は大きな問題に直面しています。