週刊イラン
この1週間の主な出来事です。 イラクのアバディ首相がテヘランを訪問し、イランの最高指導者ハーメネイー師と会談しました。 アメリカが核合意に反する行動を続けています。 イランのザリーフ外務大臣が、アフリカ諸国を歴訪しました。
先週、イラクのアバディ首相がイランを訪問しました。アバディ首相は、先週水曜夜、トルコの首都アンカラからテヘランに入りました。
アバディ首相は、トルコとイランを訪問する前に、サウジアラビア、エジプト、ヨルダンを訪問しました。アバディ首相のイラン訪問では、地域問題の解決に関するイラク政府の見解や経済、安全保障に関する二国間協力の調印に関して、話し合いが行われました。
アバディ首相は、イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師と会談しました。ハーメネイー師は、先週木曜朝、この会談で、地域諸国や近隣諸国との関係拡大に向けたイラク政府の努力を支持すると表明し、「同時に、アメリカの策略を警戒すべきであり、彼らを信用してはならない」と強調しました。ハーメネイー師は、さまざまな民族の統一と、イラク政府による義勇軍への支持が、テロリストやその支援者たちに対する最近の勝利の秘訣だったとし、「アメリカは、自分たちでISISを誕生させながら、テロリストがイラクの政府や国民に敗北を喫した今、この重要な出来事に同調しているふりをしている。とはいえ、機会があれば、再びイラクにダメージを与えるだろう」と述べました。
イラクの安全、安定、経済、不干渉は、この国が最も必要としている事柄です。イラクの利益は、この枠組みに沿って、地域諸国による共通の行動に基づいて確保される必要があります。
アバディ首相のテヘラン訪問を前に、アメリカのティラーソン国務長官が、根拠のない主張により、各国の関係に生まれている肯定的な雰囲気を自分たちの有利な形に押さえつけようとしました。その政策は、サウジアラビアによって完成され、サウジアラビアのジュベイル外務大臣は、根拠のない主張を繰り返し、イラクと地域におけるイランの役割が、安定を崩しているように見せようとしました。
ティラーソン国務長官はまた、「イランが支援する民兵や、イラクを支援してISISを倒そうとしている彼らのイラン人顧問が、自分たちの家に帰るべきときが来た」と主張しました。
イラク政府は、ティラーソン国務長官の発言を受け、声明の中でイラクの義勇軍を支持し、「イラク問題に干渉する権利は誰にもない」と語りました。
アバディ首相は、ハーメネイー師との会談で、イラクのテロとの戦いにおけるイランの支援に心から感謝を述べました。また、イラクの統一の維持と領土保全に向けた国民や若者の努力に触れ、「イラクの統一と団結を注意深く維持し、以前にも同胞に語ったように、分裂の危機がイラクを脅かすのを決して許さない」と語りました。
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核合意は、2016年1月から実施されています。こうした中、核合意の関係国は、イランが取り決めを履行しているようには、その取り決めを遵守していません。このような政策の中で、アメリカ政府は、イランの防衛力に関して、新たな世論操作を開始しています。この政策は、いかなる論理や国際法にも合致していません。
ハーメネイー師は先週、士官学校の卒業式で、イランの防衛力に対する覇権主義勢力の反対に触れ、次のように語りました。
「イランの防衛力は協議や駆け引きのできない問題であり、国力を確保し、支えるあらゆる問題について、敵と取り引きや駆け引きをするつもりはない。我々は国力を強化する道を力強く歩んでいく」
アメリカは、このような動きを続ける中で、イランの国民と体制責任者の間に対立を生じさせようとしています。イラン外務省のガーセミー報道官は、ティラーソン国務長官のイランに関する最近の干渉的な発言を受け、「アメリカの政治家は、1953年、イランの合法的な政府に対するクーデターを行い、パフラヴィー独裁政権を全面的に支援し、この政権の犯罪に加担した。その後、イスラム革命当初からは、イラン国民を支援するふりをして、この国民に対して最大の犯罪を行った」と語りました。
ガーセミー報道官は、「イラン国内に情勢不安や混乱を作り出したこと、クーデターを企てたこと、イランイラク戦争でサッダームフセイン政権を政治、軍事、経済、情報の面から支援したこと、イラン国民に対して違法な制裁を行使したこと、これらは、過去40年近くの間に、アメリカがイランで行ってきた干渉的な措置のほんの一部に過ぎない」と語りました。
ティラーソン国務長官は、先週水曜、対イラン追加制裁に関する下院の採決を前に、「我々はイラン国民と対立しているのではない。我々が対立しているのは、革命的な政権だ」と主張しました。
アメリカは、敵対的な行動により、核合意から、アメリカの理不尽な目的に沿った、新たな合意を作り出そうとしています。
イランのザリーフ外務大臣は、先週、政治・経済高等使節団を率いてアフリカ数カ国を訪問しました。この訪問は、南アフリカの政府高官との会談によって始まりました。ザリーフ外相の南アフリカ訪問では、両国の経済合同委員会の会合が開催され、経済合意書が調印されました。
ザリーフ外相は、南アフリカの後、ウガンダでも、両国の合同貿易施設を開設し、同国のクテサ外相やムセベニ大統領と会談し、両国の政治・経済関係の拡大について話し合いました。
ザリーフ外相は、ウガンダ訪問を終えた後、ニジェールの首都ニアメに入りました。ザリーフ外相は、ニジェールの政府高官との会談で、関係の強化、地域・国際問題について話し合いました。
アフリカは、世界の大陸で2 番目の面積、10億人以上の人口、50を超える国を擁し、イランの外交政策においても特別な地位を有しています。イランはアフリカの平和や安全の確立と全面的な開発を手助けしたいと考えています。
イランの人権問題を担当するジャハンギール国連人権特別報告官は、先週、事実に反する報告を発表し、人権侵害について、イランの悪いイメージを提示しようとしました。国連人権理事会のイラン代表は、この報告を受け、「この報告には全体的にイランの捻じ曲がったイメージが示されている」と強調しました。同代表は、2017年上半期の報告を調査する国連の人権に関する会合で、「この報告は、アメリカをはじめとする国々の、イランに対する一方的で不当な制裁の行使には触れておらず、テロの犠牲者となった1万7000人のイラン人についても言及されていない」と語りました。
ジャハンギール報告官は、2017年上半期の報告の中で、イランの報復刑を再び批判し、イランにおける人権侵害についての主張を繰り返しました。
国連人権理事会のイラン代表はまた、サウジアラビアの代表による反イランの発言に対し、「アメリカとサウジアラビアは歴史を忘れてしまったようだ。サウジアラビアとその同盟国は、世界で最も多くの子供たちを殺害している」と強調しました。またアメリカは、人権の本質を軽視し、それを自分たちの政治的な目的のために利用しています。
今週はまた、イランのジャハーンギーリー第一副大統領が出席する中、テヘランのイマームホメイニー集団礼拝所で、メディア見本市が開幕しました。
この見本市には、600のブースに940のメディアが参加しています。国際部門では、世界4大陸から報道関係者が参加しており、メディア交流をテーマにした会合も開催されています。