ペルシャ語ことわざ散歩(181)「手では振り払い、足では前に引き寄せる」
皆様こんにちは。シリーズでお届けしております「ペルシャ語ことわざ散歩」、今回は「手では振り払い、足では前に引き寄せる」という表現をご紹介してまいりましょう。
ペルシャ語での読み方は、Baa dast pas mi-zane baa paa piish mikeshe となります。
文字通りの意味から、何となく本来の意味をご想像いただけた方もいらっしゃるかもしれませんね。
このことわざは、二面性のある態度をとる事を意味しており、例えばあることについて表向きには拒否したり、望んでいないように振舞っているものの、本当はそれが欲しくてたまらない様子がありありと見て取れるような場合に使います。
また、ある物事を承諾するか否かについてはっきりとは決めかねている、どちらの意味にもとれるような回答を示す、さらにははっきりとした決断や回答をためらうという意味でも使われます。
日本語でも「顔で笑って心で泣く」、「玉虫色の回答」、「建前と本音」といった表現が知られていますが、どちらともいえない返事をしたり、口頭での発言と実際の胸の内が逆であることは、イランも例外ではありません。
そういえば、心理学的な見解では、誰かに対し悪口や陰口をたたいたり、誹謗中傷や上から目線でのこき下ろしなどといった態度に出ることは、心の底では何らかの理由でその相手がうらやましくてたまらず、その人に嫉妬していることの表れだと言われています。ですから、ある人から陰口をたたかれ批判されこき下ろされた場合には、表向きにはけなされているが、実際には褒められているのだと考えるとよいのではないでしょうか。否定的な
反応や言葉の裏に隠れた相手の本音に注目すれば、そうした言動を受けてのストレスも減るかもしれませんね。それではまた。