ペルシャ語ことわざ散歩(209)「悪い財産はその持ち主の根元に」
皆様こんにちは。イランで実際に使われているペルシャ語の生きた表現をご紹介する「ペルシャ語ことわざ散歩」、今回は「悪い財産はその持ち主の根元に」ということわざをご紹介してまいりましょう。
ペルシャ語での読み方は、Maal-e bad bikh-e riish-e saaheb-esh となります。
これは、質の悪いものや悪銭は誰にも受け入れられず、結果的にその本来の持ち主の元に残る、ということを意味しています。
特に、誰かに何かをプレゼントしたり、または慈善的に施しをする場合などに、最も品質の悪いものを選び、それを他人が喜んで受け取るだろうと思い込んでいるような人に対し、このことわざが使われています。
また、ある金品や財産などについて、それを自分のものにしたならば、高額な税金の支払いなどそれ相当の頭痛の種がついて回るため、誰もそれを手に入れよう、受け取ろうとしない場合にもこのことわざが使われるようです。
この他にも、商店などで売り手が顧客に質の悪い商品を、良い品物だとして売りつけようとする場合、物事を見抜く力のある顧客がこのことわざを使って、「いいえ、このような不適切な品は賢い買い手が受け入れるものではない、持ち主の元にそのまま残した方がよい」などと言ったりします。
つまり、その本来の持ち主だけがそれを維持し、うまく付き合い、折り合えるもので、他には誰もそれを受けとったり、受け入れようとしないものについて使われます。
誰かにうまい話を持ち掛けられたり、表向きにはよさそうな金品を勧められたりした場合などには、消費者が賢くなってその本質を見抜き、毅然と断る勇気が必要ではないでしょうか。それではまた。
この番組は、IRIBイランイスラム共和国国際日本語通信パールストゥデイがお送りしています。