国連が、アフガンでの飢餓発生の可能性について警告
駐アフガニスタン・OCHA国連人道問題調整事務所が、同国における数百万人の子どもが直面する飢餓の危険性について警告しました。
この警告の一方で、米軍による20年間の占領とインフラの破壊の後、アフガンは現在、経済・人道的危機を含む複数の危機に直面しています。そうした中、米国は現支配勢力・タリバンによる政権発足(2021年8月~)を口実としてアフガンに制裁を科し、同国名義の資産約100億ドルを凍結・押収し、事態を悪化させました。
タスニーム通信によりますと、OCHAは7日水曜、アフガンの現状に懸念を表明するとともに、「冬の本格的な寒さの中で、アフガンでは少なくとも600万人の子供が飢餓に瀕している」と表明しました。
OCHAの報告によりますと、アフガンでは2800万人以上が人道支援を必要としており、また2000万人が深刻な飢餓に瀕しているということです。
さらに、400万人の女性と子供が深刻な栄養不良に陥っており、同国の30の州の人々が安全な飲料水の確保が困難であるか、深刻な水不足に直面しているとされています。
OCHAの報告によりますと、アフガンの人道的惨状の調査・対策には、40億ドル以上の資金援助が必要だということです。
これに先立ち、ユニセフ国連児童基金もアフガンにおける厳しい冬の到来について警告し、同国で90万人近い子どもたちが食料面での安全を確保できないことから死の危険に瀕していることを明らかにしています。
国連に公式に承認された、子どもたちのための民間の国際援助団体セーブ・ザ・チルドレンも最近、アフガンのおよそ1000万人の子供が十分な食料が届かないことから劣悪な状況の中で暮らしているとしています。
これに関連して、ICRC赤十字国際委員会も先だって、本格的な冬を迎えたアフガンの人々の劣悪な状況について警告しました。
国連は既に、アフガニスタンの飢餓が、特にこれから迎える冬に悪化する可能性があると警告しています。
アフガンは米軍が引き起こした20年間の戦争と占領により、国内の社会と経済に深い傷を負っていることから、今後しばらくは復興再建のニュースは聞かれそうにないと見られます。