視点
北朝鮮による新弾道ミサイルの公開
-
北朝鮮による新弾道ミサイル
北朝鮮が、同国軍事パレード中に新しい潜水艦発射弾道ミサイルを公開しました。
北朝鮮による新しい潜水艦発射弾道ミサイルの公開は、同国キム・ジョンウン総書記による「北朝鮮の核能力」の向上についての発言の1週間後に行われました。
北朝鮮は、米国が北朝鮮支配体制の打倒に向けた敵対的な政策を止めない限り、自らのミサイル及び核計画から手を引くことはないとしています。
最近開催された北朝鮮与党・朝鮮労働党の会議の後に、同国で新しい弾道ミサイルが公開されたことは、潜在的な脅威に対する抑止力の向上という同国の戦略が継続されていることをを示すものであると言えます。
先週開催された第8回朝鮮労働党大会でのキム総書記の演説から、これまでの同氏の立場に変更が加えられたことが明らかになったとはいえ、ミサイル及び核の能力の強化・増強は依然として同国の戦略の最優先事項とされています。
キム総書記はこれまでにあまり例のなかった表明の中で、自国民による経済的困難さの受容、生産及び経済における大きな成長、および韓国との協力の強化といった対外関係の発展が、一部の国内問題の解決策であるとしており、このことは、キム総書記の統治思想の一部に変化があったことを示すものであると言えます。
朝鮮半島、特に韓国と北朝鮮の関係が、最近の米国の政策の影響を受けている状況の中で、トランプ米大統領の退陣及びバイデン氏の米大統領就任は、朝鮮半島に新たな恐れと希望をもたらしています。
北朝鮮はトランプ大統領が統治した4年間のさまざまな時期に、米国との間に最も緊張した紛争を経験しました。
近年、北朝鮮及び米国間の紛争終結に向け、両国首脳による数度の話し合いが行われたものの、これらは奏功せず、両国間の緊張は前例のないほどまでに高まりました。それは、トランプ大統領が北朝鮮を焦土と化させると脅したほどのものでした。
米国が、ミサイル及び核実験の停止と引き換えに対北朝鮮制裁を終結するいう約束を破ったことから、ベトナムでのトランプ大統領とキム委員長と第2回交渉の後、北朝鮮は防衛プログラムの拡大を再開しました。
米国はこの期間中、制裁を解除するという北朝鮮への約束を破ったばかりか、両国間の緊張を緩和し、関係の正常化を進めるという有望なプロセスの進展さえ許しませんでした。
冒険好きなトランプ大統領は、北朝鮮が、米朝間で予想される交渉の空間で、経験豊かなバイデン氏が北朝鮮の権利の尊重をベースとした新しいアプローチを採用することに望みをかける中、権力の座を去ることになりました。
北朝鮮がバイデン新大統領の下での米国の一方的な外交政策の終焉に望みをかけているとはいえ、キム総書記は二国間問題の解決にとって米国政府に対峙し交渉力を高めるために利用できる唯一のツールが戦略および抑止力の強化であり、それはミサイルおよび核計画の拡大が中心となることをよく知っているのです。
ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。
https://twitter.com/parstodayj