日本・イランの共同研究者らによる新発見
京都大学とイラン基礎科学研究所、およびテヘラン大学の研究者らによる共同研究で、神経活動から背後にある回路網の結合構造の存在を明らかにする地図が明らかにされました。
神経回路網は一般的に、多数 (ヒトの場合は約1000億個) の神経細胞で構成されており、各神経細胞は数十、場合によっては数百の他の細胞に接続されています。
テヘラン大学、イラン基礎科学研究所、京都大学の研究者らによる共同研究は、イギリスの科学誌ネイチャーに掲載され、今週の研究として同誌の表紙にも取り上げられました。
このほど、IPMイラン基礎科学研究所の研究者らは、京都大学およびテヘラン大学と共同で、神経活動と回路構造を対比させる地図を世界で初めて作成し、神経活動の特徴を手がかりに、隠れた回路構造を特定する手法を開発しました。
島崎秀昭・京都大学情報学研究科准教授(北海道大学客員准教授)はこの新しい発見について、「本研究は、新しい皮質神経細胞モデルをもとに神経回路網の構造と活動を一気通貫する理論の構築を目指して行われた」とコメントしました。
また、テヘラン大学電子コンピュータ学部で教鞭をとるマジード・ニーリー・アフマダーバーディー教授は、「今回の研究により、神経細胞のふるまい情報からマイクログリッドの構造を決定できるとともに、方法論的な観点からも新たな手法が確立された。この方法論は神経科学、物理学、および工学の分野からの知識、視点、およびツールの組み合わせが使用される学際的な視点から派生したものである」と語っています。
この作業の主な成果は、正確な数学的計算に基づいて得られたツールである分析ガイドマップであり、それはニューロンの活動間の相関関係を計算し、その結果をこのガイドマップに配置することで、ニューロンの同時活動を記録する実験者は、それらの細胞に共通の入力を提供する効果的な神経回路の構造と型を突き止めることができます。