国連創設80周年:入り混じる期待と懸念
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国際連合本部ビル
世界の多くの目標達成に向け深刻な課題に直面してきた国際機関としての国連が、創設80周年を機に世界各国の首脳らを迎え入れています。
アメリカ・ニューヨークの国連本部で、この国際機関の創設80周年記念式典が開催され、140名を超える各国の首脳らが参加しました。
【ParsToday国際】イルナー通信によりますと、この会合に出席した各国首脳はこれまでの80年間にわたる国連の活動を振り返りつつ、危機に対処する上での多国間主義と国際協力の強化の必要性を強調しました。
今週は国連にとって、創立記念日も到来する節目となる週に当たります。今年のスローガンは「共にあることで、より良くなれる:平和、開発、人権のための80年とこれから」で、国際社会が共有する価値観への新たな約束・順守を強調しています。
しかし、パレスチナ・ガザ地区、ウクライナ、東アフリカ・スーダンでの戦争、気候変動の危機、外部からの支援減少を原因とした財政的逼迫により、この国際組織は先行き不透明となっています。
アントニオ・グテーレス国連事務総長は「各国政府の間で『処罰の回避・免責』意識が高まっており、各国首脳は方針転換に向けて行動を起こすべきだ」と警告しました。また、「数々の困難はあるものの、国連の本来的な使命は『希望を生み出し、屈しないこと』だ」とし、今週中に世界の各国首脳らと150回以上の会合を行うことを明らかにしています。
さらに、この期間中の他の重要なプログラムとして、独立国家パレスチナの樹立に向けた解決策を中心課題とする国際パレスチナ会議、世界女性会議の30周年記念会議、AI人工知能の世界的な枠組みの検討などがあげられます。
国連総会は全193加盟国が参加する国連の主要な諮問機関、かつ政策立案・実施期間であり、今年は今月29日まで開催されます。また、国連総会は世界平和と安全保障に関する主要な議論に加え、予算の採択や平和維持活動の監視といった任務も担っています。